SRC感想

*[SRCシナリオ感想]

シナリオ名 :「菖蒲の花と雀蜂 」
製作者   :philoさん
HP: 伯陽堂 http://homepage2.nifty.com/zhuang-zhou/

馴染みのない時代で一抹の不安があったのですが、

見事に吹き飛ばしてくれました。
姫士組の七代目姫長に選ばれた鈴木彩愛。
副長に選ばれた切妻加奈子はその人事に不満を抱いていた────。
という所から始まり彩愛を嫌う加奈子の視点で物語は推移していくものの、
少しずつ彩愛のいい所を見つける事で

どんどん彩愛に惹かれていく加奈子の気持ちが、
とてもよく描写されており短編として

完成度の高いものになっていたと思います。

いみじくも玲が途中で加奈子に話していた通りになった感じで、
さすが未来の姫長は人を見る目があるなぁとは。
ただ、加奈子も苛立ちと嫌悪で目が曇ってなかったら、
もっと早い段階で彩愛の

姫長としての存在感に気づいていたのだろうと思いましたが。

三井寺潤が事件の首謀者ではありましたが、

彼女もボタンをかけ間違えただけで、
加奈子が彼女の立場に立っていても

おかしくはなかったのではないかと思わされる部分もあります。
ただ、そうはならなかったのは加奈子がその意志で彩愛を見抜き、
その人間性に感化されていった部分もあるのではないかなと。
ボダンをかけ間違わない。些細な差。

それが明暗を分けたのではないか?と。


とてもよいガール・ミーツ・ガールでした。
危なっかしい彩愛の相棒は、

ぶつくさいいながら見守ってくれる加奈子なのだ、
そう思わせるラストが実に秀逸でした。