史上最強の弟子 ケンイチ 17巻

史上最強の弟子ケンイチ 17 (少年サンデーコミックス)

史上最強の弟子ケンイチ 17 (少年サンデーコミックス)

 ラグナレク編が一段落ついたので、ちょっと緊張感は落ちています。逆鬼師匠の裏稼業がクローズアップされましたが、嬉しかったのは、かつて連載されていたころの、マイクロフトが回想とはいえ登場したことでしょうか。
逆鬼師匠の因縁相手だけあって、殺し屋のクリストファーも達人級なのでしょうが、ちょっと迫力が足らないのですよね(笑)。結局、怒髪天をついた逆鬼師匠にあっさりダウンさせられてしまうし。まあ、これから闇という、殺人格闘家集団と戦うことになると思うので、その前哨戦としては面白かったと思います。基本的にこの漫画は、ケンイチが苦戦してヒーコラいって倒す相手を、師匠がでたらデコピン一発で倒せる(恐らくラクナレク上位3人はそこまで楽には倒せない)レベルなので、「師匠達が戦う相手=達人級=ケンイチは手も足もでない」という構図が、読者にするりと伝わります。で、これまでほとんどそういった達人たちに手も足もでなかったケンイチが、今回クリストファーに一撃入れることに成功しました(クリストファーが油断しきっていたとはいえ)。この描写から、ラグナレク編での、ケンイチ自身の成長具合が読者にわかるわけです。

 クリストファー編でほとんど費やしてしまいましたが、今回収録されている最後のお話が、しぐれさんの過去話になっています。謎めいた彼女の生い立ちが明らかになるのですが、実はちょっとだけサンデーで読んでしまっています(笑)。だから、オチだけ知っているのです。岬越寺師匠が「彼女の父を殺したのも…他ならぬこの私だからだ!!」といっていますが、あれは事故なんじゃないかと思うのですが、それに対しても責任を逃げない岬越寺師匠の姿勢に、しびれ憧れます(笑)。……私が子供の頃、大人というのは「きちんと責任をとれる」ということができるものだと思っていたのですが、ハハハ…幻想でしたよ(笑)。まあ、だからこそ、岬越寺師匠の発言が光るわけですけどね。