ある日、爆弾が落ちてきて

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

地雷量産工場だという認識がこびり付いている電撃で、久々に原作付き(ガンパレetc)や他レーベルの面白かった作品の作者などに頼らず、某氏(id:hothotheat)推薦で読んでみた小説です。

時間を題材にしたものという話だったので、「SFで特にタイムパラドックスとかだったら、私にはきついなぁ」などと思っていたのですが、なんのことはないです。SFはSFでも、SF(すこし・ふしぎ)でした(笑)。ARIA系といえば、分かり易いでしょうか。雰囲気のSF度合いが、ですよ。話しはそれとはまったく違いますから。
むかし、爆弾がおちてきて
 おおきくなあれ
 恋する死者の夜
 トトカミじゃ
 ある日、爆弾がおちてきて
 出席番号○番
 三時間目のまどか

表題作を含めて収録されている短編を、好きな順番に並べてみました。正直、あまり優劣はありません。100と99というより、10000と9999くらい微妙な差です。どれも、違った雰囲気で面白いので、本当、優劣が付けがたいのです。例えば、順番で最後になっている「出席番号○番」は、作品の雰囲気的には一番好きなんです。でも、選んだ題材の差で、ちょっと最後になってしまっただけで(笑)。ああ、そうそう。収録順の最初と最後の題名の付け方は、センスいいなーと。確かにあれを最後に持ってきた時点で、この短編集は完成したと、そういっても言い過ぎではないでしょうね。後、確かにあとがきはいいです。時間の考え方ってだけで、これだけバリエーションがあるんだと再認識しました。それと、時間についていえば、世界に流れている時間っていうより、人それぞれに流れている時間が重視されているので、その点で言ってもSF(すこし・ふしぎ)なんじゃないでしょうか。

このキャラクター造形について思ったのですが、後書きで地味めのキャラと書かれていますが、なんていうか充分に萌えます(笑)。ライトノベルでは、あきらかにそれを狙って、私としては食指が動かないと言うのに、妙に世間で受けている作品があったりしますから。なんていうか、ほら、ありすぎて言えないとゆーか(笑)。私がちょっとひねくれた日本人なので、「ほら、萌えるでしょ。萌えるでしょ?」って言われると、「貴様を萌えの星から萌えを広める為にやってきた萌えの死者か!?」と反発してしまいたくなるタイプだというのも、原因なのでしょうか。だから、さらりと「ああ、これ、いいな…」と思えるキャラは評価高いわけです。まあ、それはともかく、ほとんどが学生の話なので、学園物が好きな方にはお奨めかもしれません。


うん。このライトノベルがすごいの投票が、今週まであったら、きっと、一票入れていたかも(笑)。

書き忘れるところだった。シェムラ先生、キャラ立ちすぎ(笑)。後、実は和光さん(id:wakou)が好きな感じの話しかもしれない。そんな風に思ったり、感じたり、推測したわけです(笑)。