鋼の錬金術師 12巻

鋼の錬金術師(12) (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師(12) (ガンガンコミックス)

いや、格好いい台詞が沢山あったのですが、どうも表題に収まりきらなくて。スカーvsアル・エド戦とリン・ランファンvsグラトニー&ラース戦が別々に展開しつつ、それが収束するのはみていて気持ちのいいものがありましたね。というか、私は大分リンを見誤っていました。ラースと一対一で戦って、殺されないだけでも大したものなのに、ランファンを(人一人を背負って)そのラースと互角の剣戟を見せるというのは、かなりの腕前というべきでしょう。もしかしたら、一対一だったらもっと、優勢に戦えたかもしれませんが。

スカーとの戦闘も、エドはちょっと注意が足りなかったかなーと思いましたが、その後のアルとスカーの問答が、これまでの経験を踏まえた上でのアルの言葉だったので、実に重みがあって読み手である私に響きました。

「そのような不幸な身体になってなお、錬金術を信じるのか!?」
「略─不自由である事と不幸である事はイコールじゃない。哀れに思われるいわれは無いよ!
兄さんが錬金術でこの世に繋ぎ止めてくれた命だ。
今のボクを否定する事は兄さんを…錬金術を否定する事になる。
ボクは錬金術の可能性を信じてる…信じたい!」

この対決って、実は弟対決なんですよね。けっこう忘れがちですが(笑)。アルは言うまでもなく、スカーも弟ですし。珍しく、スカーが相手の言葉を否定しませんでしたね。肯定もしませんでしたが、「兄の〜」というくだりがスカーの心に響いたのかもしれません。どちらにしろ、ウィンリィで自身の姿見を映して、何らかの忸怩たる思いを抱いたスカーが、今後どう行動していくのか気になりますが、今の最新号の展開を考えるに…恐らくはそろそろ彼も年貢の収め時なのかもしれません(笑)。

12巻後半のラースとプライドとの会話から、大総統であるラースが甘い人物では無いにしろ、ある程度運命から外れた事を愉しむところがあることが、垣間見えます。ただ、この直後、大佐に対して大総統としての権力を使って、手厳しい痛撃を食らわせるので、味方という選択肢はありえないでしょう。ただ、何かの拍子に決定的な展開において、重要な裏切りを行ってしまう可能性もあります。なぜなら、大佐が大総統の話を聞いて言ったように、彼は○ん○○としてこの世に産まれ落ちたわけなのですから。

とりあえず、早いうちにランファンに義手を用意してあげてください。ほら、女の子が痛そうにしているのは、可哀想じゃないですか(笑)。

荒川先生の巻末の漫画がQ&A漫画が面白かったですね。「男はムッキリ、女はムッチリ!」なんていうか、私はほぼ先生と同じ意見で、漫画やアニメに出てくる細すぎる女の子が可哀想に見えてくるんですよね。FSSは好きなんですが、あのファティマの病的なまでのあばら骨が浮き出たやせ具合は、「メシを喰え、メシを」といいたくなってしまいますね。後、コルセットで締め上げているかのような、病的に細い腰とか(笑)。そんな中では、荒川先生の漫画の女の子は安心して見ていられます(笑)。