- 作者: 相田裕
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2005/12/17
- メディア: コミック
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ぱっと見、そうじゃないのは分かっているのですが、フランカかと思いました(笑)。いや、ちょっと若いけど、あんな感じの女性って、あの話だと少ないじゃないですか?ま、表紙の話ですけどね。
最初のリコの話とヘンリエッタと二人でバカンスする話で、ジョゼとジャンの過去の棘というか公社に所属して、五共和国派と戦う理由の一端が垣間見えましたね。その辺りが明らかになってくると、冷淡であるかのように描かれ、そう周りも見ているジャンですが、彼の方が人情家で熱血漢であるように私には感じられました。そして、柔らかい印象を与えて、任務以外ではそれなりに穏やかな印象づくりをしているジョゼの抱えている闇の方が、かなり深いようにも、思えました。
後半は第二期義体少女第一号、ペトルーシュカと担当官アレッサンドロの話です。…実はアレッサンドロが、私好みの、軟派だけれども鋭く世界を見渡している男なので、その辺りがちょっと楽しみです。アレッサンドロとペトルーシュカは実は義体になる前にであっているのですけれど、まあ、二人ともそれは知らないし、恐らく知り得ないのではないかと思います。ジョゼとヘンリエッタたちの視点から見ていたサイドと、このペトルーシュカとアレッサンドロから見ているサイドは、恐らく話のターニングポイントが来たことを示しているのかもしれません。…前から書いているのですが、心の闇が晴れたジョゼが寿命の尽きたヘンリエッタの横で、その死を看取るのが最良のエンディングではないかと思っているのですが、さてどうなるのでしょうか…(笑)?
最後の、ペトルーシュカとエリザヴェータの絵は…ストーリーでエリザヴェータの懇願していた事が、バレエに携われなくなった時に叶えられると言う、皮肉に満ちた矛盾を悲しく彩っていて、とても好みです。