鋼の錬金術師 13 (ガンガン コミックス)

鋼の錬金術師 13 (ガンガン コミックス)


グラトニーが真理の扉を作ろうとして失敗してしまったホムンクルスであるのなら、いまだ姿を見せないプライドとスロウス(背中だけ)は、どんな役割もしくは性能を与えられているのでしょう。しかし、影と声だけでしか登場しないプライドですが、実はすでに本編に登場している人物の一人なのではないでしょうか?だからこそ、シルエットと声だけしか現れない。可能性の高い候補としてキンブリーを思い浮かべる方もおられるでしょうが、彼はホムンクルスではありません。理由としては彼にはホムンクルスというキンブリーの下に存在する本性を与えるより、イシュヴァールで国家錬金術師として非道をつくし、スカーの兄を惨殺し、スカーの腕を吹き飛ばしたという役割があります。まあ、恐らくは、ですが(笑)。

イシュヴァールの内乱の目的は今回ではっきりとしました。ですが、そこで起こった真実はいまだ語られてはいません。きっと、来月のガンガンでイシュヴァールのエピソードが明らかになるとは思うのですが、凄惨なものになることは確かでしょう。なにせ、話すのはイシュヴァールで賢者の石を作っていた、ドクター・マルコーなのですから(笑)。

しかし、大総統は予測していた以上に面白いキャラクターになってきましたね。本人も彼の仲間のホムンクルス達も、キング・ブラッドレィ=ラースが、「お父様」の計画の忠実な遂行者であることは認めています。ラース自身も、そう考えているでしょう。ですが、彼自身が気づいているように、彼がホムンクルスとしての誇りや役割とは正反対の、極めて人間的な感情が彼に役割からそれた行動を起こさせているのは確かなことです。ひとつは、ラストを殺した大佐を見逃したこと。もうひとつは、プライドに吐露した内心の感情。前者はエンヴィーに糾弾された時に一応、「柱」候補であるというもっともらしい理由をだしていますが、後のプライドとの会話を交えて考えてみると、やはり計画から外れた状況を楽しんだというようにみえます。だからこそ、彼は最後の最後で、彼が否定した人間らしい行動をとってしまうのではないかと、期待しているわけです(笑)。


次はリンがグリードになってしまうわけですが、さてはて。その巻が発売される7月までに、リンは戻ってこれるのでしょうか(笑)?しかし、発売早いですね。