今日買ったのですが読み終わってしまったので、感想を。というか、私が最後にヤングジャンプを読んだ話までで、今回終わっているのですよね。あれは確か堀の女衆が中の人になっていたはず。以前から気にかかっていたことを、2つ取り上げてみたいと思います。ひとつは、一目坊がなかなかの知恵者であるということです。般若面による、祝言前の男女をかどわかす作戦の立案も彼でしたが、それ以前より冷静な意見が多かったように思えます。そして、両の目が見えないのに、明成の矢を叩き落し続ける玄達(柳生十兵衛)に対して、その腕を惜しみ七本槍へ加わることを薦めます。仲間を二人も倒されたのにも関わらず、素性の知れない男を、その卓越した技量に感服して仲間に引き入れようとするのは、ただただ、自分たちの欠けた戦力を補いたいがためだと思われます。頭に血が上った明成が横にいたせいか、一目坊の冷静な言動が光って見えました。
そして、最初から「この貫禄はきっと…ラスボス(笑)?」と思っていた、漆戸虹七郎。今回、般若面一党に紛れ込もうとした十兵衛が、失敗して戻ってくるのですが、彼についてこう評しています。「…尋常に立ち合ったとして、おれが勝つかむこうが勝つか…正直おれにもわからん」とまで言わせております。前後するのですが、先ほどの一目坊の発言のあたりで、その玄達(柳生十兵衛)の腕前を見て、漆戸虹七郎は「(玄達に扮した十兵衛を)…斬れるか? 虹七郎」との問いに対して、「さて…尋常に立ち合っておれが勝つか向こうが勝つか…おれにもわからん…」と、ほとんど十兵衛と同じような台詞を吐いています。このことから、十兵衛も虹七郎も相手を只者ではないと感じ、なおかつ互いに勝敗がわからないほどの拮抗した強さであると察しているとことです。堀の女衆の手前、漆戸虹七郎と戦うことはできないのかもしれませんが、是非とも勝負して欲しいものですね。

しかし…十兵衛ほどの男なら仕方ないかもしれませんが、明成(笑)。あんた、簡単に気絶させられすぎです。