まるでこれっぽっちも寸毫すら、ネタバレに配慮しておりません。ですから、以下をお読みになってフェイト・ゼロ3巻の楽しみが半減したと言われても、困りますので、ご覧になるとしたら、ネタバレを見るという『覚悟』を抱いて下さい。
よーしよしよしよしよしよしよし、虚淵たんグ〜ッド(笑)!!一言でいって、凄い。なにやらここまでやれたら、きっと虚淵氏も満足でしょうし、私も満足ですし、きのこ氏も満足でしょう(笑)。あまりにも書きたいことが多すぎて、語りたいことが多すぎて、私自身困っています。ですので、各々のカテゴリーにわけて書いていこうと思います。

・キャスター=ジル・ド・レィと雨竜龍之介について

彼らはほぼ、満足したと言ってもいいのではないでしょうか。端から見ると狂気と悪徳に満ちた、残忍で非道な輩である二人組ですが、もしかすると今回のサーヴァントとマスターの組み合わせで、戦闘ではなくて人格面の相性のよさではベストといっていい組み合わせかもしれません(笑)。龍之介独特の神様論も、常識に拘泥する事無く、まさしくいい意味でも悪い意味で、自由である彼らしい論理でしたし、それに感銘を受けたキャスターの内面の驚愕はいかばかりだったか想像するととても面白いですし。キャスターの召喚した海魔は、実に圧巻でした。あそこまでの怪異を呼び出すとは、秘匿されるべき聖杯戦争でありえるのかと思うくらい(笑)。しかし、それよりも、最後に長年捜し求めたモノを見出し逝った龍之介。そして、答えを得たキャスター。最初に書いたように、その有り様が褒められたものではない二人ですが、最期がとても美しく、彼らにとって満足に満ちたものであったに違いありません。

・ランサー・ディルムット・オディナとケイネス・エルメロイ・アーチボルトとソラウ・ヌァザリ・ソフィアリについて

酷い。ランサーというクラスには、不幸というのろいがかけられているとしか思えない。清冽で忠義に厚く、騎士道を守ろうとするディルムッド。彼は海魔を倒すために必要な、セイバーの切り札であるエクスカリバーを使わせるため、自らの宝具を破壊します。その潔さ、騎士道を守り抜こうとする決意。ああ…彼を部下と出来たなら、なんと幸運なことだろうか(笑)。バゼット辺りとなら、上手くやれそうな気がするんですよねー。とても。まぁ、黒子にバゼットがくらくらする可能性はありますが(笑)。しかし、そんなとても「良い人」であるディルムッドに、運命はあまりにも辛く当たるわけです。切嗣の謀略によって、マスターであるエルメロイに自害を命じられてしまうのです。ディルムッドは、殊勲に裏切られたのは、これで二度目のこと…。泣けるとか言うことより、絶望を覚えましたね。…あぁ…。セイバーと決着をつけさせてやりたかった。そして、私以上に絶望を覚えたディルムッドの断末魔の叫び……。あまりにも未来を予知していて、ちょっと驚きました。はぁ…かなりディルムッド好きなんで、何かの機会があれば彼を救い上げるような話を書いてあげたいですね。

ギルガメッシュ

ギルが言峰に接近するのは話の肝ですし、みんな語るでしょうから私は置いておきます。まずは、F−15との空中戦(笑)。なんていうか、あまりにも巨大な海魔も、「やりやがったな、虚淵(笑)!」と思ってたんですが、こっちは「や…やっちまいやがった、この野郎(褒め言葉)」って感じでしょうか。バーサーカーの能力って、近代兵器にも応用できて、宝具属性を付与できるってことみたいですね。これって、核爆弾を持って、宝具にして投げたら、エライことになりそうですが(笑)。しかし、空中を思考の速度で走る船とか、さすがギルの財は底がしれません。やっぱり、便利な宝具をバンバンだせてしまう彼は、本気で戦ったら英霊中最強なんでしょうね。そんな、ネイキッドなギルがホロウ以外でも見たいですけど、相手が勝てなくなりそうですね(笑)。しかし、今回一番度肝を抜かれたのは、ギルのエルキドゥへの想いでしょうか。「人の身にあって人を超えようとしたこの男の生き様は、王が蔵に蓄える財の全てと比してもなお、貴く眩いものだった、と」というくだりが実にいい…。BLとか言わないで下さいよ(笑)。まぁ、そう想起させるほどの、想いですけどね。これがあったからこそ、その人として余りにも貴い理想を掲げるセイバーに、ギルは興味を抱いたのでしょうね。我が寵愛に値するか…と。

・セイバー・アイリスフィール・衛宮切嗣

とりあえず、「地獄へ落ちろ、衛宮切嗣」とだけ最初に言っておきます。前述のエルメロイのディルムッド殺害は、切嗣の謀略ですが、他にも龍之介の謀殺など、言われていたような悪徳を重ねています。命を助けると魔術の呪縛すら使って誓約した矢先、エルメロイとソラウを誓約で殺害できない自分に代わり、舞弥に手を汚させる切嗣。この後に、激昂したセイバーの感情がよくわかるだけに、切嗣に対する評価はどんどん下がっていきます。私が思うに、切嗣の手法は効率を重視しているようで、実はしていませんよね。明らかに禍根を残すやり方に思えます。例えば、秘匿されたといってもなんらかの形でこの最期を伝え聞いた、エルメロイとソラウの親族はどう思うでしょうか?これまでもこういうやり方を行ってきたのなら、短期的には効率的であるかもしれませんが、長い目で見れば自分自身を刈り取る災厄の種を撒いているようにもみえます。まぁ、Fate本編をプレイすればわかることではありますが、彼は偽りの満足の中、その生を終えるわけです。言峰綺礼があざ笑ったように、「さぞや、満足の内に逝った」わけですが、正直、これからの彼の悲嘆と絶望をてぐすね引いて待っています(笑)。汚い言葉で言えば、お前、自分に酔ってるだろ?としか思えないわけで。そう思わせて、4巻で切嗣に感情移入するように、虚淵氏が罠を張っているとしたら、あまんじて受けましょう、その罠を(笑)。ええ、本当に。

・最期に

ディルムッドの最期があまりにも悲劇的で絶望に溢れていたので、あれを凌駕するセイバーの悲嘆を、如何にして描くのか…とてもとてもとても楽しみです。読み終わったら、速攻でFate/Stay nightプレイしますともさ(笑)。

PS.しかし、今回とてもとてもとても残念なことは、時臣の魔術がちょっとしか見られなかったことです。もっと見たかったなぁ(笑)。きっと、上半身裸になって、マッチョになる筋力強化の魔術とかあると、楽しみにしていたのに(笑)!!