戦う司書と虚言者の宴 BOOK7 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と虚言者の宴 BOOK7 (集英社スーパーダッシュ文庫)

神溺教団との最後の死闘を繰り広げた、戦う司書と荒縄の姫君の物語の後の話です。
正直、あれで完結でもいいくらいに盛り上がってしまったので、
続きが心配でしたが、それは杞憂に終わったようです。
荒縄の姫君ほどの派手さはありませんでしたが、全篇を覆う「菫の咎人」の謎。
そして、オリビア=リットレットが武装司書と神溺教団をも欺き、
天国を滅ぼす唯一の手段、『菫色の願い』を成し遂げられる誰かに託す過程…。

ちょっと読むだけにしようと思ったのですが、思わず読みふけって夜更かししてしまいました(笑)。
やはり、山形先生は伏線と人物の動かし方が抜群に上手いと、いまさらながらに関心しました。
このシリーズを読んでこられた方なら分かると思うのですが、
前巻で死んだ人物が次の巻で、過去のストーリーを語る際にポンと出てくることがよくあります。
まるで端役だった人物が、物語の核心に居座っていたりと、
これほどに油断のならないキャラクターの動かし方は、稀だと思っています(笑)。
『菫色の願い』を受け継いだ男が何者なのか?
すげー、気になりますが、とりあえず次を待ちます(笑)。

ところで、ミンスの作った、新しい神溺教団って、
普通に幸せそうな組織でしたよね(笑)。彼の人柄が出ていて、ちょっと和みました。
目的を考えると、ちょっと悩むのですが、まぁ、幸せな人がいることは良いことだと思いたいです…。
多分。