今回は短編形式に戻って話が展開されました。
いや、面白かったです。とても。
長編が悪かったというわけではないけど、なんかこの短編形式があっているような気がします。


1話目のストーリーは、悪徳リフォーム業者をすっぱぬこうとして、
逆に命を狙われたフリーライター・手島を護衛する話ですが、
なんか全篇にちりばめられた心遣いが、妙に身に沁みるストーリーとなっています。
手島の母親に葵が作ってあげた、おかゆは、彼女の心に安らぎをもたらした。
手島自身に葵が作った料理は、彼の心の壁を取り去った。
任務の間の仮の勤め。けれど、彼女は手を抜くことを一切放棄する。
そこには、葵自身の誇りがあるから。
ポーズだけではなく、プロとして仕事に自身を持ち、誇りにする気概を持っているから。
そしてそれは、手島が仕事にかける情熱にも通じるものがある…と。
そんな感じで、かたくなだった手島が、葵に心を許していく過程が、実に手堅く書かれていました。
これがメイド刑事だなーと思うようなストーリー展開で、とても満足。


2話目は聖がとても可愛かった(笑)。
っていうか、実は一番好きな登場人物である、海堂ご主人様が(笑)、
聖を心配する下りとか、いつもは見られない側面が垣間見れてよかった。
とりあえず、外面の良すぎるやつは、危険です。気をつけましょう(笑)。


3話目は、私の大嫌いなお宅訪問系バラエティーが海堂邸へ。
あれ、メチャメチャ不愉快なんですが、くどくなりそうなんで、理由とかは書きません(笑)。
女性インタビュアーが、最初嫌な感じ→実は彼女も頑張ってたよーな展開で、よかったです。
いや、でもね、出てきた瞬間からこの人はいい人だろうなと思ってたわけです。
ただ、彼女の外向けの仮面をどうやって剥がしていくのかなーというところに興味があったわけで。
コロンボって、最初に犯人を明らかにしてしまうでしょう?
あんな感じで、わかっていたとしても、その過程を楽しめるかなーと。


最後で、当面の敵であった木ノ上の身辺に色々と動きがありました。
あとがきを読む限り、次巻でさらなる進展があるのでしょう。
続きを楽しみにしております。きっと6巻でも、悪党どもを冥途へ送ってくれるでしょうから。