ダブルブリッド〈10〉 (電撃文庫)

ダブルブリッド〈10〉 (電撃文庫)

女の子版ゲゲゲの鬼太郎になるのだろう。
そう思って読み進めていったシリーズでしたが、大分違う展開になってきました。
4巻辺りから雲行きが変わり始め、
5巻からはバッドエンド方向へどんどんハンドルを切ような、
凶悪な展開になっていきました。
これは、読み終わった後に、胃が痛くなるような、
心地い類ではない鬱話になりそうだ…と震えていたのですが、
9巻からこの10巻まで長い年月待つことになりました。

私の勝手な想像なんですが、一巻の鬼の姿なんかを見る限り、
最初の予定だと、普通に片倉さんが能力を成長させて、
強くなって行って、父親である主と戦って自らの宿命と決別する。
そんなお話になるんじゃないかと思ったんですが、
こう…7・8巻辺りは迷いがあるような気がするんですよね。
で、9巻でなにか巨大な壁にぶつかったような。
だから、私は続刊がでないものと思っていました。
発売されても、陰惨なエンディングになるものと覚悟していました。


手放しで喜べるエンディングではありません。
ただ、中村先生の中で何かが片付いたのではないでしょうか。
とても、穏やかで奇麗な終わり方でした。
とりあえず、既刊を所持していて、まだ10巻を読んでいない方は、
是非とも読んでください。
そして、彼女の生きざまを、しっかり見てあげてください。
やや分厚いですが、時間をかけて読む価値はあります。