終始一貫して面白かったです。
ヒデオは何も持たず、城塞都市にやってきたわけですが、
何も持たない彼の工夫と必死の思考とハッタリは、
実に得難い武器でした。
一時手から落としてしまいましたが、再び手にしたその武器は、
以前より鋭利に、強固になり、誰一人力では妥当し得なかった存在を、
その必死の思考=弱者の信念で打倒して、いや、友達にしてしまいました(笑)。


私が思うに、アンリ・マンユは誰かに認めて欲しかったのではないでしょうか。
誰よりも強力で、その力は絶対的な彼ですが、決して彼を認めてくれる存在はいない。
その力故に、孤独であった彼は、ヒデオという友を得ました。
ヒデオが救われたように見えますが、
私にはアンリ・マンユが泣きながら笑っている姿が見える気がします。
ヒデオは帰還しましたが、アンリ・マンユは理解者を得たと思えます。


ちょっと残念なのは、鈴蘭たちが何もしてない感じで描かれてしまったことでしょうか。
いや、事実そうなんでしょうけど、おりがみの戦いを見ると、
別に鈴蘭たちも安楽に聖魔王の座を手に入れたわけではないですし。
ただ、鈴蘭は器を作り、誰かが酒を注いでくれるのを待っていたのかもしれません。
後、ヒデオって漢字に変換すると…。いや、想像してましたけど、やられました。
見事に最後のピースがはまったって感じで、ああいう演出大好きです(笑)。


ところで続編ってマジなんでしょうか(笑)。
あとがき見ると、動いているようなんですけど。