シナリオ名 :LastSpell(第23話リリールート)
製作者   :和光佳清さん(id:wakou)
HP    :『FreedomPuzzle』 http://wakouy.web.fc2.com/index.htm




23話 槍を持って進む者


ゲイレルル。この23話につけられた題名ですが、実はヴァルキリーの名前だったりします。
有名どころはブリュンヒルトや、アースグリーズ、ランドグリーズなどでしょうか。
で、このゲイレルルはどういう人かというと、古代北欧歌謡集のエッダに彼女の記述があります。
とは言っても、36節のグリームニルの歌で、アインヘリヤル達に麦酒を持っていく役割なんですが(笑)。
この名前が出てきたと言うことは、
もしかすると……ずっと時間が止まっているあの人に動きが……?
と期待しつつ進めていきます。


いきなりの水音……。シャワーシーンかと思ったら、雨音とは(笑)。
それはともかく、題名から推測したように、ナタリー復活のお話のようです。
交易商人のワースが、別の大陸の技術でナタリーの石化を解いてくれるという話でしたが、
どうも彼はボンボンのようで、彼の世話役兼調合の師匠であるタチェラが協力して、
解石を行ってくれる事になりました。
なんか、どうにもならないという話だったと思いますが、
やはり国やら大陸が違うと、同じ系統の術も効果が違うようで、
ワース達の大陸では錬金術が発達しており、石化は薬で治せるという事のようです。
この辺り、鋼の錬金術師のアメストリスの錬金術と、シン国の錬丹術の違いのようで、
なかなか興味深かったりします。


越山崩壊の際に、姉のアリサに転移させられたマリーが漢山で暴走しているのですが、
セラが理と情に訴えて説得して、大人しくさせています。
情に厚いだけでなく、なおかつ観察力が鋭いというのが好感が持てます。、
感情が暴走して、それが魔術という力に直結して取り返しの付かない事を起こす人が多い中、
大人な対応をしてくれる人がいるのは見ていて安心できます。


戦闘は追ってきたカネロとの戦いになります。
カネロ自体はそれほど強くないのですが、2回行動してくるのがなかなか面倒です。
ボーナス条件であるNPCの魔道士を守るのに、ちょっと苦労します。
取りあえず、マリーの脱力を使用してカネロの気力を削ぐとちょっと楽になります。


戦闘後、シュベルツがアリサを引き連れて人質にとり、マリーに揺さぶりをかけてきます。
なんという外道(笑)。だが、それがいい……。
というところで、前半が終了します。


なんというか、ちょっとびっくりしました。エピローグ長くなりがちな私のシナリオなんですが、
今回、いい所で切って、次に繋ぐという手法を久々に見て、目から鱗という感じでした。
知っている事と、それを使える事はまったく違うんですよね。
機会があったら、自シナでもやってみたいです(笑)。
……やっぱり、人のシナリオはインスピレイションの宝庫ですね。
知っていても、引き出せなくなった事を思い出させてくれたと言いますか。



23話 SecondCapter


後半は前回の続きからです。アリサを盾にして、マリーに揺さぶりをかけるシュベルツ。
マリーが恩知らずにもセラに攻撃をかけてきて、シュベルツの企みが成功したのか、
マリーなんという恥知らず……と思いきや……。


その裏で、ワースが完成させた薬をナタリーに投薬するのですが、
役得過ぎるぼっちゃんは役得過ぎる!イベント発生でナタリースタンバイ。


マリーは、シュベルツ達に屈して、姉のためにセラを殺そうとしているようにみえましたが、
隙を突いてカネロに攻撃をしかけますが、カネロには通じずに逆に窮地に。
カネロが攻撃をしかけたところで、白背景に心理描写が。
来るな……来るな……と思いつつ、モノローグが始まって、
ああ、ここで後ろ姿の一枚絵とか来たら、感動するな……と思ったら、


助けに来たナタリーの後ろ姿が……!


なんという良い展開!!
来るな来るなと思いつつ、やっぱりその期待を裏切らない展開と演出がなされるのは、
とてもいいカタルシスを味わえました。


戦闘はナタリー、セラ、マリーがカネロとシュベルツと戦うわけですが、
今回はマリーの脱力を使わなければボーナスという、厳しい条件がつきつけられます。
……まあ、負けないだろうと思いつつ、SPを存分に使ってやると……。
思ったより、なんとかなりました(笑)。


精霊は人間の力で倒せるんですね。
滅んだのか、ただ帰還しただけなのかはわかりませんが。
その後、カネロに乗っ取られていたシュアの独白が非常に哀しかったですね。
インターミッションのラスペ小話と会わせると、その辺りの事情がよくわかります。
しかし、こうなるとベリーネさんは、助からないんでしょうか……。
最後にちょと会話を交わすくらいはなんとかなるかもしれませんが。


手駒を失ったシュベルツが、リチャードにそそのかされて、セウサス達に合流するようですが、
これはシュベルツにとってはバッドエンドフラグのように思えました。
野心を捨てて隠居してしまえばよかったと思いますけど(笑)。


久々に「反撃」といえる感じの内容だったので、とても楽しかったです。
次回更新も楽しみにしていますので、シナリオ作成頑張ってください。