アイアンマン2


評価 8/10


ネタバレがごっそりあるので、見たくない方はご覧に成らないでください。
ただ、一つだけ。
映画を見終わって面白かったと思ったら、スタッフロール後も動かないでください。
詳しくはいいませんが、一作目同様サプライズがあります。

前作で軍需企業スターク・インダストリーズのCEOであるセレブリティ、トニー・スタークは最先端の機能を備えた新開発のパワードスーツを装着して世界の危機を救い、”アイアンマン”と呼ばれた、このメタリックなヒーローの正体が自分であることを明かした。
今回のドラマは、この設定をベースにして展開する。

劇場パンフレットより


怒濤の展開でした。
まず、アーク・リアクターに使用されているパラジウムが、トニーの身体に悪影響を与えています。
携帯用血液検査装置の数値が、どんどん上がっていくのが、見ていてドキドキしました。
体内毒素が高くなって、生命の危機にあるというのに、アーク・リアクターは彼の心臓代わりなので、
取り外すわけにはいかない……。つけつづけると、死んでしまう。
なんという二律背反。


そんな最中、アメリカ政府に呼ばれてアイアンマンのアーマーの技術を渡すように言われますが、
命令されるのが嫌いな彼は、勿論ノーとつきつけます。
そして、気晴らしで行ったモナコには、父親ハワード・スタークに恨みを持つイワン・ヴァンコが、
アーク・リアクターを武器に転用し、悪役(ヴィラン)・ウィップラッシュとして登場。
さらには、ライバル(だと一方的に思っている)会社のジャスティン・ハマーが、
そのイワンと手を組んで、トニーを追い落とそうと画策する……。
という、息をもつかせない展開の連続で、あっという間に見終わりました。


今回、リアクターで自分の生命が危ないという事を、
元秘書のペッパー(トニーが死にそうなので自分の事に専念したいため、ペッパーを社長にした)にも黙っていて、
いや、いうチャンスはあったのですが、ささいなきっかけで切り出せない辺り、
素直になれないトニーの人間臭さがたまらないなーと感じました。
そして、長年確執のあった、亡き父親ハワード・スタークとの、精神的な和解。
確執というか、トニーは父親が冷たいと思っていて、
あまり腹を割って話す機会もなくかったわけです。
そして、トニーが子供の頃に他界しており、
冒頭、スターク・エキスポという博覧会で父親の映像を流すのですが、
後で吐露する「父は冷たかった」という一言が、根深い確執を示していて、
どう展開するのだろうと思ったら、父親の残したフィルムの最後に、
実は息子を深く愛していたという映像と、未来を頼むという言葉が残されていました。
冷たいと思っていた父親の真意に気づき、己の浅はかさに愕然とし、
自暴自棄になっていたことを反省するトニー。
そして、かつての父親の残した、模型に隠されたヒントから、
パラジウムに変わる新元素を産み出し、リアクターを改良。
見事、死の運命から逃れえます。


この後、アイアンマン・アーマー6とウォーマシン、
そしてウィップラッシュの罠が発動して、
ドローン軍団と、クリムゾン・ダイナモとの戦いが待っています。
ちなみに、件名のセリフはこのシーンで流れたもので、
他にも色々いいセリフはあったのに、このセリフをなぜ持ってきたのかというと、
自暴自棄になってて、相棒はいらないと言ってたトニーが、
父親の愛を受け、大切な人を守るためにもう一度戦う事を決意し、
友人のローディーと並び立った時に、彼からかけた言葉だったからです。
デレたというか(笑)。


一応指摘しておきますが、難点としてあげるとすれば、ちょっと詰め込みすぎな部分もありました。
ただ、テンポがいいし、前作を見て面白かったという方なら、
期待を裏切らない完成度に仕上がっていると思います。
これは、是非とも速く3が見たいところ。









ネタバレ中のネタバレ



スタッフロール後、作中でコールソンが出向いたメキシコの映像が出ます。
巨大なクレーターの中に、突き刺さっているのは、ミョルニルの鎚……!?
ここで、マイティ・ソーとリンクさせるとは(笑)!!


劇場で帰ってしまった人は、勿体ないなぁと思いました(笑)。