アイ・アム・アイアンマン (ShoPro Books)

アイ・アム・アイアンマン (ShoPro Books)


評価 7/10


映画第一作目のコミカライズ版と、
その映画をS.H.I.E.L.D.長官であるニック・フューリーの視点から見た、
「SECURITY MEASURES」。
そして、第一作のイメージソースとなった、1985年のアイアンマンをまるまる掲載しています。


映画のコミカライズは、それほど目新しい所はなく、アメコミのカット割りにすると、
あのシーンはこういうものだったのだなぁというくらいに見るのがいいと思います。


目玉は後二作品のほうで、フューリーの視点から映画第一作をなぞる、「SECURITY MEASURES」は、
かなり早い段階から、社長に目を付けていたことが解り、映画のストーリーのどの段階で、
S.H.I.E.L.D.がオバディア・ステインが黒幕であると察知したかなど、
別の切り口からの物語が楽しめます。
映画の裏話的なものではありますが、本編では語られることのない、S.H.I.E.L.D.について、
ある程度知ることができます。


最後の一作は、オバディア・ステインと戦う1985年当時のアイアンマンのコミックスです。
絵柄が大半の人がイメージする、「ザ・アメリカンコミックス」という雰囲気なので、倦厭する方もいるかもしれません。
取りあえず、いやがらないで読んでみて下さい。
登場人物が多い所に面食らうかもしれませんが、オバディア・ステインに会社を乗っ取られ、
アル中の社長はアイアンマンであるという重責から逃げており、そのせいで親友を失い、
親しい人達がオバディアの虜囚となる事態を迎えてしまいました。
失意の社長が、親友の死を乗り越え、再びアーマーをまとって戦う決意を揺り起こすという、
実に王道の物語が展開します。
映画ではアル中の面はあまりクローズアップされませんが(笑)、
そういう人格的に弱い部分を抱えていながら、それを克服して這い上がる姿は、
読み終わって清々しいものを与えてくれます。