闇狩り師 キマイラ天龍変 1 (リュウコミックス)

闇狩り師 キマイラ天龍変 1 (リュウコミックス)


評価 8/10




キャーッ、らんぞ〜ッ!!


と思わず黄土色の声援を送りたくなるタフガイ、我らが九十九乱蔵の、
若かりし頃の(と言っても22歳ですが)活躍が語られ、
なおかつ夢枕貘先生のキマイラシリーズとのコラボと聞いては、
女房質に入れても読むしかないと言った風情です(笑)。


過去何作も漫画化されてきた闇狩り師ですが、この伊藤先生の乱蔵が一番私のイメージに合ってます。
身長2メートル、体重145キロ。そびえ立つと言った風情の大男であるこの乱蔵は、
私の考える心優しい大男の理想形の一人だったりします。
厳ついんですが、笑顔が優しい。弱い者にも優しい。
そして、強く悪しきものに対して、真っ向から戦ってくれる。
ヒーローである、などと声高に主張しなくても、その要素をふんだんにその身に備えた彼は、
私の中の揺るぎないヒーローであり続けています。


キマイラの存在感が、あのやたらめったら暴力的で、凶暴な獣性をプンプンと発揮させ、
その威容を誇る異形の化け物と、相対してもひけをとらない乱蔵の存在感が堪りません。
キマイラはまさしく天変地異のように、人を殺し、喰らっていくのですが、
その暴風に立ち向かう乱蔵は、本当に頼もしく、そしてあくまで優しいのが、
堪らないですね(*´д`*)ハァハァ。


ラスト付近の苦悩する人面と、貪り喰らう獣面との対比が、
あまりにも哀しく心を打つ有様でありながら、残酷で吐き気を催すものを表現しつつ、
なぜかそれから目を話せないのは、なぜでしょうか……?