テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)

テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)


評価 9/10



フフン……まあ、一巻ほどのおもしろさはないだろうな、フフン。
などと思っていてスミマセンでした。取りあえず、ジャンピング海老ぞり土下座をしておきます○| ̄|_


男根崇拝についての話が冒頭からあって、コラムではなにやら非難もあったという話が書かれていましたが、
男女の比率は厳密に言えば違うと思いますけど、大雑把にいえば、世界の半分は男で、
世界のもう半分は女なわけです。で、まあ、半分にくっついてるわけですよ、ティンティナブラムは(笑)。
なにが言いたいかというと、細かい事は気にすんなというか。お高くとまるなよと。
まあ、コラム読んで、6話に苦言を呈した人達に対して私はそう思ったわけで。
あと、知恵ちゃんより、私的にはマルクスを誘った、ローマ一のお口のお姉さんが好きです。


小難しい事はおいといて、今回も非常に楽しませていただきました。
私のローマ知識って、塩野七生先生のローマ人物語と、あと幾つかの遺跡についてのビジュアルブックと、
当時の風俗に(エロゐ事じゃないよ)関する分厚い本一冊くらいなので、専門的に知っている人に比べれば、
かなり足りない感じだと思うんですが、取っつきやすく、分かりやすく現在にある事に落とし込んで、
ローマを紹介している辺りを見ると、本当にこの人はローマ好きなんだなーと思えて、
なんか嬉しくなりますね。


私の好きな五賢帝最後の一人、マルクス・アウレリウス帝の少年時代の姿も出てきましたし、
色々満足しました。しかし、まだ10代の頃からあんなに人間できてていいんでしょうか(笑)。
大好きな人で、自省録も読みましたけど、完璧超人すぎるでしょう、哲人皇帝様(笑)。


しかし、読み進めるに連れて、ルシウスという人が好きになっていきますね。
私が思うに、本人が卑下するほど才能がないわけじゃないと思うんです。
むしろ、友人のマルクスが言っていたように、堅実な才能があるんじゃないかと。
ただ、独創性に欠けていた。そこを、平たい顔族から学んでいて、それを単なる模倣ではないかと、
悩んでいることが、すごい不器用で好きです。
まあ、そこで、「あいつらは下民だから、優れたローマ人の私に真似されれば光栄だ」
みたいになっちゃえないのが、彼のいいところでもありますし、
なっちゃったら共感が得られないのでしょうから、なかなか悩ましいところではあります。
結論とすると、ルシウスって、ローマ人なのに、
二昔前くらいの堅実で真面目で、不器用だった日本人のように見えます。
その辺りが、好感を抱かせるのではないでしょうか。


不器用な人間大好きです(笑)。