評価 8/10


ブックオフでかなり安く手にいれたんです。
イラストの野上さんが、戦車学校なんかで挿絵描いてる人だなーと思って。


天上の神話世界ヴァルハラでは、戦場で落命した英雄たちが、
戦乙女ことヴァルキューレに導かれ、続々集まっていた。
ドイツ第三帝国の“戦車エース”ミヒャエル=ヴィットマンは、
「ミカエラヴィットマン」(♀)として甦った。
天上の神「ヘリアン少年」はそんな彼(彼女?)に、かつての祖国指導者が敵と手を結び、
世界征服をすべく侵攻準備中であると告げた。
おとこ(?)おんな(?)はともかく、ヴィットマンティーガーを駆って敵に立ち向かうことを決意する。


このあらすじを読んで、「おお、なんというストパン(*´д`*)ハァハァ」
という方は読んでも面白いと思います。
「WW2の英霊を貶める気か、腹を切れ!」的な方は読まない方がいいと思います。
あなた向けにアマゾン様のレビューがありますので、
そちらをお読みになって下さい。


私は、アマゾンで酷評されているほどに詰まらないとは思いませんでした。
状況はけっこう淡々と進みますけど、無念多かった軍人とは思えないほど、
みんな状況を楽しんでいますし。なんというか、女子校のノリというか。
それでいて戦車戦闘の会話のやりとりやら、陣形の動かし方などは、
軍事知識の乏しい私でも、ああ、それっぽい感じだなーと思わせるものがありました。
登場人物はみんな女体化していますが(笑)、
ヴァルハラでは新参である、主人公のミカエラヴィットマンや、
生真面目な人達は生前の男性的な言葉遣いと、男性的な思考回路だったりします。
ですが、長年いる将兵やら元帥達は、言葉遣いと思考がけっこう女性的になっています。


1巻がヒトラー麾下の軍勢を破って終わりだったので、続編が読みたいなーと思ったら……。
続編などありませんでした……(笑)。
惜しい、実に惜しいです。いくつかの謎は続刊で明らかにするつもりだったんだろうなーと、
想像させる部分が数カ所あったので、そういうのはまさしくラグナロクの向こう側に消えてしまいました。
3巻くらい出させてあげればよかったのに。


私が一点ガテンがいかないなーと思ったのは、小説内で描写だけでイラストが無いキャラがいるのが……。
あの厳つい軍人の面々がどうなってるか見たいと思ったので、その点だけは非常に不満ですか。
しかし、それもこれも、2巻とか出てたら……出てたらなぁ。