シナリオ名 :「姫士組十代目 〜加茂川瀬里奈列伝〜」(3話まで)
製作者   :philoさん
HP: 伯陽堂 http://homepage2.nifty.com/zhuang-zhou/


非常に悩みました。
感想を書くかどうか非常に苦悩したのですが、
敢えて書くことにしました。




祇園会と各校治安維持生徒会の間の戦争において、
その裏で動き回り、争乱を煽ってなにがしかの利益を得ている存在がいる。
その辺りが示唆されていました。
色々と動き出してきてはいるのですが、
もう少し、瀬里奈に好感が持てなくとも、理解ができる感じにして貰えると助かります。


基本的に感情で話す人は切り捨てられる感じなんですが、
瀬里奈の話方が煙に巻くというか、謎謎をしかけるような物言いで、
釈然としない部分も気になります。


もっと言ってしまうと、私だけなのかもしれませんが、
瀬里奈が偽悪的で挑発的な行動を取る意味合いがよく分かりません。
何を掴んでいるのかも、なぜ意味深な言葉で誘導するのか、
目的なりが分からないので、見ていて疑問が非常に多いです。
最初にプレイヤーに対して、瀬里奈が偽悪的で挑発的な行動を取る理由、
──恐らくは警備隊の総隊長の死にまつわる事でしょうが──
それを明らかにして、彼女の行動の正当性を確保しておくべきだったのではないかと思います。
「なるほど、こういう事実を知って、その上で危険だから小出しにせざるを得ない」
と納得できれば、いらぬ反感を抱かずに済むでしょうし。
正直、瀬里奈に翻弄される人達の方に、共感が向いてしまって、
彼女に対しては寸毫の理解も致しかねる心情であります。


あと、瀬里奈がどこを向いているかと言う事です。
現状、あの姫士組に対しての説明やら、やりとりを見る限りは、
外側に視点が向きすぎている感じがあります。
せめて、一人でいいので瀬里奈の真意を知っていて、
フォローしてくれる人がいてもいいのではないでしょうか。
瀬里奈の偽悪的な態度が成果によって許容されているとありますが、
それについてもいささか疑問があります。
別に信頼を示せと言うのではりません。
ただ、組織の長として、最低限の信用を得ていて欲しいと思うのです。
信頼を情的なものとして、信用を理的なものとするのなら、
今少し成果でゴリ押しするのではなくて、計算尽くで得た信用でいいので、
そういうものを用いるべきではないでしょうか。
正直、現状では姫士組に対してよりも、
他の組織の方が瀬里奈への信用を持っているように見えます。
自組織で信用を構築できないようでは、組織の長として問題があるのではないでしょうか。
正邪関わりなく、組織の長は部下からの信用を得るために腐心しています。
現状、成果を示されたとしても、あれだけ不満がくすぶっているのに、
姫士組のメンバーが動くのが非常に疑問です。
あれだけ信用が欠如しているのなら、ボイコットされてしまわないのでしょうか。


現時点では、瀬里奈が最後に汚名を背負って姫士組を去って行ったという、
綺麗な終わり方にされたとしても、疑念と疑惑が多すぎて、
素直にそれを飲み込めるかどうか、私自身は甚だ疑問です。