シナリオ名 :「姫士組十代目 〜加茂川瀬里奈列伝〜」(5話まで)
製作者   :philoさん
HP: 伯陽堂 http://homepage2.nifty.com/zhuang-zhou/




4話
皇鷹哉が祇園会事件を煽った裏面の悪に限りなく近づいたようで、
彼の家族が狙われることとなります。
それを察知した瀬里奈が、古都乃を暗殺者の手から守り抜きます。

この一連の事件において、いくつかの事が明らかになりました。
祇園会に扮して、祇園会の悪評をばらまいている連中がおり、
なおかつその連中は、SRC島の混乱を望んでいる。
瀬里奈はその連中──ファスティディアスの人間の事を察知し、
警備隊の前総隊長を殺害した犯人をあぶり出そうとしていたようです。

ここで、トラさんがなにやら不審な行動をして次話へ。


5話
茅葺奈保が瀬里奈に呼び出され、罠にはめられます。
何事かと思えば、茅葺奈保はファスティディアスのスパイだったようで、
姫士組内部からかく乱を行っていたようです。
前話においても、皇古都乃と戦う瀬里奈の元に、いち早く駆けつけました。
姫士組の誰よりも。

赤威、皇鷹哉が現れ、ジェイン=ノーランドという本当の姿を露わにし、
襲いかかってくる茅葺奈保。
戦闘後、常套句を吐いて助命を請うジェインを殺害する瀬里奈。
そして、各治安維持組織では、ファスティディアスのスパイがあぶり出されて、
粛正されることになります。
この事態がひと段落した時点で、葉子が姫士組から身を引く事を瀬里奈に話します。
ですが、逆に瀬里奈が姫長を辞め、葉子が姫士組に残り、トシさんが次の姫長となることが決まり、
瀬里奈が悪評を背負って、ある程度収まるような感じで姿を消すことになります。


今回で、祇園会事件に関するお話は、ほぼ、事態の収束を見たといっていいでしょう。
ただ、瀬里奈がどうなったのか、どうするのかは恐らく次回決まるのでしょうが。
当初思っていたよりは、非常に穏やかに事が進みました。
非常に非情で苦い前日譚に仕上がっていたと思います。
ただ、おしむらくは最初の3話まで、瀬里奈が露悪的過ぎたせいで、
物語の中心点が、瀬里奈であるのか、それとも祇園会騒動であるのか、
どちらになるのか分かりづらかった部分が取っつきにくかったかな、とは思います。
4・5話が、非常にストーリー的にやりたいことが明確だったせいか、
そう感じてしまう部分がありました。


あと、瀬里奈に関してですが、一つ。
まず、私は皇鷹哉を邪悪な人間として設定しましたが、
悪人ではないと思っています。
私が勝手に定義する所の、真なる悪人とは、
後悔しませんし、己の行動を悩みません。
強力にして無比であり、揺るがない信念を持ち、
その為に他全てを犠牲にすることにためらいのない存在が、真の悪人です。
私のシナリオでは、真の悪人という人は、恐らく一人二人しか出てこないでしょう。
悪人は、正義などの自己正統を必要としません。何故かと言うと、強いからです。
ただ、その強さの核には、弱さが潜んでいます。
今回、エピローグで内心を吐露した瀬里奈に、私はそれを見て取りました。
錯覚かもしれませんが、私にはとても弱い人に見えました。


次回更新で、恐らくストーリーが完結するのだと思いますが、
どのような展開に収まるのか、じっくり拝見したいと思います。