史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (SUN MAGAZINE MOOK)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (SUN MAGAZINE MOOK)


9/10


板垣先生のイラストと、バキのトーナメント風哲学者入場で惹かれて買った本でしたが、
なかなか面白くて、何日もかけてじっくり読破しました。
私は、多少、本当に多少、大学の頃にソクラテスを囓ってて、
西洋哲学は微妙に知識があったりします。
東洋の哲学は、いくつかチャレンジしたんですが、
断念したり、難解さにギブアップしてしまったので、
いい機会なので平易に読めればと思ってこの本を買ってみました。


まず、文体が口語調で、分かり易く分かり易く、
「え、そんなたとえ話にしていいの?」ってレベルまで噛み砕いて話してくれます。
で、東洋哲学なんですが、この本を読み進めると、
まず最初に答えがあったりします。○○は××だ、とか。
西洋哲学は、疑問と議論と回答としれへの疑問と議論とを繰り返して、
真実という頂上、いや、空の果て、宇宙の深淵かもしれませんが、
そこまで駆け上がっていこうという探求の学問なわけです。
東洋哲学は、最初に解答を示してくれます。
で、それへの道筋を説明してくれる教育者的な人もいますが、
破天荒な事をやらせて、
その上での体験的な理解(ああ、そうか。そういうことかと身を以て知る)で、
会得させるようなものもあります。
東洋は体験的な理解を、かなり重視していて、
それについて言葉で説明しても、相手に分からせることが出来ない、
理性では獲得できない部分だとしているようです。
まぁ、確かに、アニメや漫画でなんか修行して必殺技を会得しますけど、
あれってやり方や技法、コツやらタイミングを丁寧に教えるよりも、
なんかまったく遠回りな修行をして、突然閃きますよね(笑)。
そんなものをイメージして貰うといいかもしれません。


私は、この本で長年考えていた一個の疑問が解けたのですが、
まぁ、それは恥ずかしいので秘しておきます(笑)。
それはともかく、最後の方に書かれている、
悟りを得た人がいたとしたら、それは普通の人と見分けが付かないだろう。
という辺りは、まさになるほどと思いました。
ぶっちゃけると、仙人ぶって奇矯な事をしていて、
俗なことを馬鹿にしてるような人は悟ってないよって事です(笑)。


別にこの本読んで悟りが得られるとかそういうことは、
まったくないわけですが、考え方が楽になるかもしれません。
いま、現在進行形で悩んでいる人、苦しんでいる方に対して、
特効薬にはなりませんが、ふとした時に得られる「体験的な理解」で、
なにかあなたの肩の荷がふと、軽くなる瞬間が来るかもしれません。



余談
東方のチルノは、「あたいってば最強ね!」と言っていますが、
この本を読んだ後だと、もしやチルノってスゴイんじゃと、
なんか思ってしまいました(笑)。