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なんか、副題が不吉だったのでこれは、誰か命を落とすかとも思いましたが、
林先生の作品で、モブ以外はそうそう容易く死なないので、
安心していたのですが、確かに三人きりのフォースになってしまって、
林先生やりおるわと、脱帽しました。
美野里の記憶を取り戻すため、三人が団結するのか、
それとは別に、三人が彼女を守るために力を合わせるのか。
どう転んでも面白そうなので、期待しています。


夜火斗が霧也との決闘で明らかにした、自分の過去。
ある程度、想像通りでしたけど、これは逆にいうと、
この想像から外れていたら拍子抜けするところだったので、
当たって良かったと思ってました。
夜火斗は、他の三人と力の質が違うようなので、
なにかくすぶっている部分を払拭するか、
もしくは吹っ切ることができたら、
強大な力を手にすることができるのではないかと思っています。
ただ、6巻読めば分かるように、
夜火斗自身が力というものに対して、忌避する気持ちが根底にあるので、
仲間を守るためでも、その力に負けない為にも、
一皮剥けるイベントが必要かなとは感じました。
乱入してきた宇宙海兵隊が、かなり本気だったので、
いまのままでは危ういと思うので。


前の巻を読んだ時点では、
シシルはもう完全に敵側の存在だよねぇと思ってましたが、
今回はその読者の受け取り方を塗り替える、
彼女とその周囲の描写の上手さに、本当に舌を巻きました。
このキャラクターの動かし方、周辺情報の明かし方は、
神がかった手腕だと言ってもいいと思います。


今回、ちょっと不満だったのは、組織が多く登場しすぎたよなぁと。
特にすごい唐突感があったのは、ユニオンの女の子で、
あの子、今回絡まなくてもいいんじゃないかと思いました。
しかしながら、林先生のキャラクターの動かし方は、
上記の通り、常に想像の上を行くので、
恐らくは次で、「やりおった……ッ!!」というのを見せてくれると信じています。