:「ストレンジャー 閻王と電撃姫 」

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今回は前回とはまた毛色の違う話で、シンプルにまとまっていたと思います。
瀬里奈については、姫士組十代目の方で語られているように、
けっこう複雑な人物です。
美琴は、まぁ、語るまでもなく知られているでしょう。
超電磁砲のいつもの四人の中に、さつきが混ざって話をしているのが、
なにやら妙に嬉しかったような(笑)。


佐天さんを誘拐して、美琴との決闘を要求する瀬里奈。
戦う事が好きだと嘯く彼女の本心としては、
戦闘の最中に美琴に語ったことが全てなのではないでしょうか。


「……私はね、憎いのよ。それだけの力を持ちながら、健やかな心で生きる貴方が」


これは本当にどうしようもない事なのかもしれないけれど、
環境でなったのなら、環境を憎むこともできるでしょう。
ベトナム帰還兵じゃありませんが、過酷な環境に放り込まれ、
身心を著しくそこなって、普通の暮らしができなくなった人もいます。
しかし、生まれついてそういう性であるなら、
それこそ生まれ変わるわけにもいかないので、
生こそが苦しみに変わってしまう事になります。
絶大な力という側面では似ているのに、
いる場所の明るさが違うという絶望。
今回、初春や佐天さんの介入で、
勝負がお流れになりましたが、危険な状況であったと思います。
ただ、私が思うに、光溢れる場所をまばゆいと憧れることができるなら、
そこに立ち入る事ができるのではないでしょうか?


一方通行戦では、美琴は上条さんに救われてしまいました。
元々が禁書目録自体、上条さんの話なので仕方ないのですが、
世界が広がりを見せて、美琴が主人公のスピンオフが出てくると、
また話は違っています。
主人公というのは、絶望的な状況でも希望を提示して、
己でそれを吹き飛ばす勇気を持った人を示すと考えます。
美琴はそれを、上条さんに委ねてしまったので、
今回、ヒロインではなく、超電磁砲の主人公(ヒーロー)として、
取り返したのかなと、そう勝手に思いました(笑)。