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ワールド・ウォー・ハルク (MARVEL)

９／１０

これは確かに面白い。
前日譚に当たる、ＤＶＤアニメの方は見ているので、
剣闘士としてハルクがどう戦ったのかはよく知っています。
ただこれ、ハルクを島流しにした４人の気持ちも分かるというか。
映画アベンジャーズで、ラファロさんの好演を観て、
かなりハルクが好きになった私ですが、
それ以前はハルク大嫌いでした。
前にも書きましたけど、突然噴火する暴力のマッチョって、
私が好きな心優しいマッチョとは相反するものなので、
私としてはハルクに好印象を持つエピソードがまったくありませんでした。
邦訳では基本的に洗脳されたり暴走したり、
いい具合にまとまろうとした話をブチ壊したり、
オンスロートのラストくらいしか彼にいい印象を抱くシーンがなかったわけで。
そんな、ハルク好感度が低いであろう私ですら、
今回、彼を襲った悲劇というものは、
同情を禁じ得ないと言わざるを得ないもので、
この辺りのストーリー展開は上手いなーと舌を巻きました。

ただ、シビルウォー後のエピソードなので、
結局のところはヒーロー同士の内乱みたいなものです。
もう、アーク・ヴィラン作れないなら適当な理由で復活させていいので、
アポカリプスとかシニスターとか一線に戻して、
また、ヒーローｖｓヴィランでやって欲しい所です。
売上的な部分で、ヒーロー同士を戦わせれば、儲けは出るのだと思います。
しかし、それが売れるのはどちらかというと、
「みたい、楽しみだ」というよりも、「あんましみたくないけど、結果だけ気になる」
的な否定的な好奇心によるものだと思います。
でも、それって、キャラクターを摩耗させる売り方じゃありませんか？
事実、シビルウォーの時のキャプテン・アメリカの行動は、
アメリカでも疑問視する向きが多かったと伝え聞いています。
キャプテン・アメリカ：ニューディールの時のキャップと、
シビルウォーの時のキャップは別人であるとしか思えませんし。

ぐだぐだ書いてしまいましたが、ワールド・ウォー・ハルク自体は面白かったです。
ただ、シビルウォー的な展開からは、そろそろ脱却して欲しいと思っているのが、
９０年代アメコミを愛した私からの素直な感想だというところでしょうか。
ただ……ＡｖｓＸみたいなのが後に続いているので、
今後も続いちゃうんだろうなぁ……とちょっとゲンナリしていますが(笑)。