8/10




オーバーロードって、ダークヒーロー物だと勘違いしている方が多いと感じています。
キャラクター同士がとても仲が良くて、やりとりがコメディチックであったりしますが、
基本悪のギルドを頑張って作ったのがナザリックという組織であったりします。
お遊びで作った悪のギルド、悪の組織が現実の物として具現化したと考えて下さい。
人間に対して非友好的・オモチャとしてしかみていない・敵対的・捕食などの存在が多くいて、
それを比較的人間っぽい部分が残っているアインズが抑えている訳です。
ただ、アインズも悪の支配者としてのロールプレイをしていて、
部下たちから失望されないように努力しています。
あと、彼自身もアンデッドの身体に精神が引きずられている部分があって、
7巻のような事になる場合もあります。
つまり、本来なら悪役やってる人達を主人公にすえて展開してるので、
7巻で心折れた方もいると思います。web版で読んでたので気になりませんでしたが。
しかし、10巻で明確に路線が変わってきたと感じました。


で、9巻の発刊から大分経ちました。10巻はドワーフの国へ行く予定でした。
今回の10巻のお話はというと、9巻の事態を受けて周辺各国でこういうパワーバランスの変化があったよ、
皇帝の心が折れたよ、アインズが思いつきで冒険者バックアップをし始めたよ、というつなぎのお話でした。
そして、重要なのですがアニメでやっていたコミカルな頃の色々思い悩むアインズが帰ってきています。
2015年冬に発売されていたはずの10巻がなぜいまになってしまったのか?
予告と内容が大分違うのはなぜなのか?
答えはアニメのヒットによって、アニメで視聴者にうけた部分(アインズの小市民的な部分がいいetc……)を、
クローズアップする方向へ展開をシフトしていったからではないでしょうか。
その為に当初予定されていたドワーフの国への話の前に、ワンエピソード挟んだとみるべきでしょう。
私としては柔軟でよい方向転換だと思います。
web版がアインズが大分慢心してしまった感じで止まっているので(笑)、
小説版の方は別路線を行く事は知っていましたが、
恐らくは最初に考えられていたオーバーロードのストーリーとは味付けが異なっていくのではないでしょうか。
この予告と内容が違う10巻が、これから先のオーバーロードのストーリーにどんな波紋を投げかけていくのか。
注意深く楽しみに見守って行きたいと思います。


というか、以前から言われていた一回現地の人達に敗北を喫するアインズが速く見てみたいです。
そこから、どうやって復調するのか? その辺りの展開が楽しみで仕方ありません。
それから、クレマンさんにわだかまりがないというアインズの言葉が再登場を臭わせる物か気になります。