:「ストレンジャー たとえ胸の傷がいたんでも」

製作者   :philoさん
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題名の時点で誰が出てくるか瞬間的に理解できたわけなんですが、
やはり彼が出てくるとテンションあがりますね。そう、アンパンマンです(*´д`*)ハァハァ。
やなせたかし先生が、最大の悪はお腹がすくことであり、
そのお腹が空いた人の腹を満たすことができるアンパンマンというヒーローを作り出したわけです。
アンパンマンシリーズは基本的に子供向けの優しい教訓めいたストーリーをやりますが、
たまにすごくいい話を放映したりします。
映画ではコンスタントに本放送ではやれないようなメッセージ性の強いストーリーを展開します。
ロールとローラ うきぐも城のひみつは子供向け映画とは思えないほど百合展開ですし、
いのちの星のドーリィはアンパンマンが命を落とすストーリーで、そのシリアスぶりに驚愕しました。


本編のストーリーは、ストレンジャー世界でのさやかがどう救われたか。
そこに陰の功労者としてアンパンマンの姿があったという感じです。
なんとも、アンパンマンの懐深いこと。近年の主人公には出せない味わいがあります。
あんこじゃなくて(´ω`)。
こう、寄り添って話を聞けるヒーローって、日本ではコブラくらいしか思い当たらないのですが。
スーパーマンの未訳の話で、ある日、スーパーマン宛に貧しい少年から手紙が来ます。
クリスマスに妹にプレゼントをあげたいけど、家は貧乏でどうにもならない。
自分の分はいいから妹にプレゼントをという内容でした。
スーパーマンは彼とその妹にプレゼントを持っていき、彼の家庭環境が健やかにゆくよう、
手を尽くしてそのショートストーリーは終わっています。
スーパーマンほどのヒーローなら、全ての弱者を救うべきではないか?
その声に近年の彼は苦しめられていますが、私はそうは思いません。
作中のアンパンマンのように、一人一人対面した人達に寄り添ってあげれば、
そしてその人の苦しみをひとつでも解消してあげればいいのではないでしょうか。
恐らく、人間がかかえる無数の苦しみを消すことは全能の力でもなければ不可能なのでしょう。
ならば、一つでもその重みを軽くしてあげられれば、それはとても素晴らしい事なのだと思います。
そして、容易く思えるその事を、やってのけられる人はそう多くないのですから。
例えば、私には無理です(笑)。


最後にアンパンマンは別の世界に旅立ってしまいましたが、
彼が残した勇気の芽は花を咲かせてくれたことでしょう。
それにしても、ジャムおじさんのチートっぷりが半端ないです(笑)。


私が好きなやなせ先生の言葉は、

「絶望のとなりに誰かがそっと腰かけた。絶望はとなりの人に聞いた。
『あなたはいったい誰ですか?』となりの人は微笑んだ。『私の名前は希望です』


これだったりします。