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やっぱり漫画になって絵がついていくと、印象が変わってくるなぁと。
プラダーラタと、プラケーシンって名前が似てたので印象も同じだったのですが、
プラダーラタがダリューンと数合撃ち合うという猛者っぷりを見せていたのに対して、
プラケーシンは鎧袖一触で切り捨てられてて、こんなに差があったんだと(笑)。


あと、今回の7巻での荒川先生再構築の妙は、ジャスワントを許すシーンです。
原作だとアルスラーンの彼らしい甘さと、その行動の意味を理解しているかどうかをナルサスが試し、
重要さを理解して決断したなら、あとは臣下がなんとかするといういつものシーンで、
なぜかそこでバフマンが出立前に口にした内容を思い出していました。
ここに大きく手が加えられています。


アルスラーンジャスワントを許した下りで、カーラーンを思い出したと口にしています。
あと、アズライールがジャスワントに心を許していた=アルスラーンに懐いているアズライールの、
人物鑑定眼をアルスラーンが貴重に思ったという、彼らしい判断基準を示しています。
そして、それを聞いたバフマンが、なにかアルスラーンの人柄に打たれたように、


「この戦が終わってペシャワール城塞に戻りましたら、この老いぼれめが存じ上げていることは、
全てお話申し上げます」


という原作の台詞を口にします。
原作ではアルスラーンを聡明そうな王子と言い、なにも知らなければ忠誠を尽くせたと、
そうバフマンが葛藤するシーンがあります。
アルスラーンへの印象は悪くはないのですが、葛藤のためにアルスラーンの人柄に感銘を受けるシーンがありませんでした。
そこを荒川脚色というか補完が、アルスラーンの人柄とバフマンがそれに触れる機会を作り、
上記のセリフを原作より自然に持ち出している辺りは、荒川先生の力量をすさまじさを物語っていると思います。
地味なシーンですが、こういうの大好きでして。


次でシンドゥラ編も終わるでしょうし、TVは消化不良に終わったトゥラーン編も楽しみです。
その前にダイラムでクバードメルレインの立ち回りもありますし、
まだまだ荒川アルスラーンにどっぷりと楽しんで行きたいと思っています。


タルハーン卿の活躍期待してますよ(*´д`*)ハァハァ。