結界師10巻

結界師 (10) (少年サンデーコミックス)

結界師 (10) (少年サンデーコミックス)

 志々尾限最後の戦いを見て感じたのですが、やはり彼を殺す時期は失敗したのではないでしょうか。悲劇的にするにも一歩足りないし、タイミング的にはあの虫を今回で砕き、さらに良守と友情を深めてコンビネーションが確立した状況に持っていって、私たち読者に「ああ、これから限と良守はずっと一緒に戦っていくんだな」と思わせなければ、唐突な死は意味がありません。
確か担当さんが交代したはずなのですが、その辺りからどうも展開が唐突になった印象があります。限はものすごく可哀想なキャラクターです。「死んだら惜しいキャラと展開」を遙かに盛り上げられる存在だったのに、中途半端な、それに手が届かない所で死んでしまいました。

やはり、以前書いたようにもう暫く良守パートを従来どおりに退魔物で展開させて、正守パートを裏会での扇との暗闘から黒芒との繋がりを見つけて、裏切りの扇を断罪して自分の立場を固めた後、良守にそれを伝える段階での、烏森に今回の規模の軍勢が来る…という方がより盛り上がると思うのですが。