[とある魔術の禁書目録] 7巻

私の大好きなシチュエーションに、「死地に仲間を伴わないために、先行させて自らはそこ(死地)へ向かう」というものがあります。ダイの大冒険の竜騎衆vsポップや、ロトの紋章の獣王グノン戦などなど、幾らでも例をあげることができるのではないでしょうか。これ、結構危険なフラグで、脇役キャラがやっちゃうと、命を落とすことがままあるんですよね(笑)。で、今回は上条がコンビニに行くといって、ステイルとインデックスを先に学園都市へ帰還させ、オルソラを助けに行きます。彼我の戦力差は絶望的であるのに。相対したアニェーゼにあざけりの言葉をかけられても、拳ひとつで開戦の狼煙を上げる上条。HAHAHAHA、お前、最高だ(笑)。この時点で読んでいる私としては、さらに舞台を盛り上げるために仕掛けがあるのではないかと予測します。前述したシチュエーションを発展させれば、「嘘をついて先行させた仲間が、不器用な彼(彼女)を助けるために現れる」が来るんじゃないかと。ステイル、建宮と天草十字凄教の面子、そしてインデックス。熱い…これは5巻に匹敵する熱さだ(笑)。まさに、股座がいきり立ちました。このシリーズ、このシチュエーションが楽しめる単純な人間は、ものすごく合っているかもしれない。

例によって病院で目覚める上条なのですが、そのエピローグの台詞は度肝を抜かれました。上条…あんた、聖人だよ(笑)。私定義の聖人とは「私の考えうる範囲内の善行で、私が絶対に行えないであろうこと」をあっさりできる人間のことを指します。まったく宗教的な意味合いは持ちません。神裂ねーさんが驚いたように、彼の言葉には驚愕しました。原理としてはインデックスのためだとしても、その柔軟な、あまりにも柔軟な思考法は、驚きました。「たまたま悪かっただけ」か。本当はここで引き合いに出したい名前があったのです。人間できているって言われていますけど、私からみればまるでできてない。アイコン描いてますけどね(笑)。ただ、それはアマゾンで恥知らずな書評を書いてるげ…お人と同じラインに立ってしまいますので、丁重に控えさせていただきますけれど。