[ARIA 9巻]

ARIA 9 (BLADE COMICS)

ARIA 9 (BLADE COMICS)

うわー。相変わらずまったりしますね。アテナ先輩、可愛いなぁ(笑)。やっぱり、表紙のアテナ先輩はもうちょい濃い肌の色だと嬉しいんですけどねー。アテナ先輩とアリスの実はただ散歩しているだけなんだけど、その自然な信頼感が心地いい話とか、見所は多いのですが、やはり、晃さんの話が今回は印象深いですね。おさななじみ→プリマ・ドンナへの話の流れは、非常に秀逸だと感じました。「おさななじみ」で、暁やアリシアさんや晃さんたちが、かつて出会っていたというエピソードを語り、そこで晃さんの「兄貴」と呼ばれそうになるくらいの漢気を見せて、彼女の根底にあるさらりとした強さを見せた後、晃さんを中傷する人間がいることに心を痛める、藍華の「プリマ・ドンナ」に移行していくわけです。私は、晃さんは噂や妬みなどは、気にしていないのだろうと思います。「おさななじみ」で見せた強さや、些細なことを気にしない性格や、良い友人たち(アリシアさんやアテナ先輩など)に支えられているのですから。だから、この「プリマ・ドンナ」で一番彼女の心を揺れ動かしたのは、藍華が彼女の変わりに涙し、心を痛めたことなのではないでしょうか。
彼女の「良いことも悪いこともあたりまえにしないで、どっちもしっかり受け止めていかなきゃな」という台詞はいささかできすぎているかもしれませんが、私としてはその前向きに歩こうとする理想的なポジティブさを、尊いものだと信じたいのです。晃さん自身、それをこなせているのなら、口に出すことはしなかったでしょう。自分でも目標とする在り方だからこそ、それを自分で再確認するため、そして、後輩たちにそれを教えるために、あえて口に出したのではないでしょうか。私は、そう考えています。