鋼の錬金術師(16) (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師(16) (ガンガンコミックス)

イシュヴァール戦の過去話から一転、かつてイズミ師匠が修行した大国ドラクマとの国境付近にある、ブリッグズまで行くことになったエルリック兄弟。この巻はイシュヴァール戦の後なので、衝撃の事実とかはなく、伏線の回収(グラマン中将から貰ったチェス盤、キンブリー出所、フーの帰還とランファンとの旅立ち…etc…)と新たな伏線のばらまき(スカーの兄の研究書、ランファンの機械鎧探し、北国使用の機械鎧ウィンリィ登場?…etc…)がなされていました。今回、ブリッグズでアームストロング少佐の姉である、オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将と出会ったわけですが、到着早々部下のバッカニア大尉と衝突したり、マイルズ少佐には試されたりと、なかなか気苦労が耐えません。どうも、ここまで来てようやくわかったのですが、鋼の錬金術師において、初見でとっつきにくそうな人ほどいい人だったりします(笑)。たとえばラッシュバレーで言えば、パニーニャはエルリック兄弟を引っ掻き回して最初の心象が悪く(笑)、機械鎧技師のドミニクさんも職人気質で、とっつきづらい感じだったり、もちろんイズミ師匠なんかもいきなり投げ飛ばしたりと、かなりとっつきづらいです。しかし、パニーニャは方法論は間違っていたけれど、ドミニクさんに足の機械鎧の返済をしようと努力し続けていたし、ドミニクさんもパニーニャに高価な機械鎧をつけてあげたり、イズミ師匠はエルリック兄弟を非常に大切に思っていたりと、付き合いが深まるにつれて良さが滲み出てきます。このあたりの人物描写のパターンは、荒川先生のこだわりがあるのかなーと思ったりするわけですが…。どうなんでしょう(笑)?

さて、今回、メイを追って、シン国の錬金術(=錬丹術)の秘奥に迫ろうというのが、エルリック兄弟の現時点での目的ですが(="お父様"に一時無力化された錬金術対策のため)、厳しい世界であるブリッグズでは、いろいろイベントが待ち構えていそうです。実は大概は本誌を立ち読みしているのですが、どうも何度かおまけのせいで、縛られていて立ち読みできなかった事がありまして。結構、飛び飛びでしか先の話知らないんです。だから、今回スロウスが登場して終わったので、続きが気になります(笑)。まあ、次は8月の刊行らしいのでまったり楽しみ待ちましょう。…8月のころだと、寒い北国の話って、季節的に涼しくていいかもしれませんね(笑)。