暴風ガールズファイト (ファミ通文庫)

暴風ガールズファイト (ファミ通文庫)

とりあげられている題材が、ラクロスという珍しいものなので、買ってみました。
ほら、プリキュアのなぎさが、ラクロスやってるじゃないですか。だからね(笑)。
とまあ、そんな程度のとっかかりで購入したのですが、
これが実に、熱い! 面白い!!!


聖ヴェリタス女学院に通う麻生広海は、
高校一年に進級したその日、風変わりな少女とであう。
元気溢れる少女で、彼女の名は五十嵐千果。
型破りな自己紹介とをした彼女は、ラクロスの世界へ広海を誘う…。


けど、実はラクロス部が存在せず、
部員2名のラクロス同好会があるのみ。
ということで、部員集めから始まるわけですが、
まぁ、癖の強い人材が集まってきます(笑)。
関西人で妙にマニアックな方面に造詣の深い、嶋あかね。
一見とびきりのお嬢様で、実は負けず嫌いで黒い宮前雪乃。
サッカーに10年の月日を捧げてきた、誠実で寡黙な長谷川悠里(私的に一押し)。
色気過剰でいい加減に見えるけど、実は練習熱心な中学生、小阪依奈。
そして、ラクロス同好会にいた先輩、大西くららと黒田苑子


話的には、本当にラクロス同好会を部に昇格させるための仕込み段階で、
その間にも、テニス部との練習場所争い、
あっけらかんとした五十嵐の複雑な家庭事情。
大西先輩のトラウマと、それを庇い、守ろうとする黒田先輩の愛(笑)。
色々孕んで、最終決戦の練習試合まで行くわけですが、
その結果は読んでのお楽しみにしておきましょう。


なんか、熱いです。メチャメチャ熱いです。
この熱さ、何食べたら出てくるのか、わかりませんが、とても熱いです。
破天荒な五十嵐と、最初は、適当な所で抜けようと考えていた、麻生広海。
彼女の心に火がつき、五十嵐の為に一緒に走り出す辺りが実にいいです。
久々に本読んでいてのめりこんで、ゆっくり読む事も、もどかしくなって、
次のシーン、次のシーンと速読の記録に挑戦するかのように読み、
パスを繋いでシュート決めた瞬間を読んで、
「よしっ!」とか言ってしまう始末(笑)。いやー、人に見られなくてよかった(笑)。


とにかくお奨めです。これ、是非ともシリーズ化して欲しいですね。
ファミ通文庫は、新しい宝を手に入れたと思いますよ、本当。