蟹座の黄金聖闘士はかつて、少年たちの心に傷を残してきました。
聖闘士星矢連載当時、黄金聖闘士の活躍の度合いで、ヒエラルキーっぽいものができてしまい、
蟹座は……デスマスクの微妙さから(笑)、
──いや、キャラは美味しいし、彼は間違ったことを言ってない(力が正義)し、
私自身はとても好きなキャラクターなのですけれど──
蟹座というだけで馬鹿にされる級友を何人も見てきました。
そう…当時、蟹座の少年たちは、理不尽な事にそれだけで涙を飲んだことでしょう。


そんなかつての少年たちも、いまやいいおっさん(笑)。
しかし、ジャンプではなく、チャンピオンで、
蟹座が生きざまを見せ、神にすら届く勢いで戦い、
そしてそれを封じて命を閉じる。
だれが予測したでしょうか、この展開。
一緒に戦った師である教皇セージも、かつての蟹座の黄金聖闘士
ダブル蟹座ですよ。なんという蟹座復権だろうか(笑)。
しかも、原作で黄金聖衣をまとった星矢たちを圧倒し、
神話の時代から完全に破壊されたことがなかった黄金聖衣を、
完膚無きまでに破壊した死の神タナトスなわけです。
言ってしまえば、次の週に二人揃って死んでいても納得がいく戦力差です(笑)。
正直、黄金聖闘士5人揃えても不安が残る相手です(アテナ・エクスクラメーションは考慮外で。禁じ手ですから)。
それを、二人で闘い抜き、封印に成功する。
死んでゆく戦友を見送るしかできなかった教皇セージの無念が、
人間を塵芥だといい捨てる神の傲慢を粉砕した瞬間…。
神を倒すのが好きな私としては、堪らないシーンでした。


ありがとう手代木先生。
まさか、一週間が楽しみな少年の頃に立ち戻れるとは、思いませんでした。
しかも、ジャンプではなくて、チャンピオンが楽しみだとは…。