評価8/10

今回、かなり面白かったです。
一方通行サイドだから、っていうわけではなくて、
浜面がいい味を出してきたというか。
彼は本当に、何にもない一般人なので一方通行とは天と地ほどの差があり、
幻想殺しでの一発逆転に賭ける上条さんにも及ばないわけなのです。
一方通行の弱点は、損傷を受けた脳を補助する為に使用している電極で、
必ず一回はこれが停止したりして、そっからどう復帰させるかが、
物語の鍵になります。
上条さん幻想殺しをどう、相手にぶち当てて超能力やら、
魔術の効果を粉砕して、説教するかにかかっているわけです。
つまり、二人とも物語の流れと、必勝パターンが存在します。
ただ、浜面はそれがありません。
弱点といったら、弱点だらけですし、
ひるがえって彼には何か逆転ホームランを決めるような、
切り札があるわけでもないんです。


だからこそ、そんなかれがどう陥った状況を打破するか。
その辺りが非常に興味深くて、分厚い本を一気に読めてしまいました。
前巻で、上条さんがロシアに向かい、
今回で一方通行も、浜面もロシアへ……。
物語は収束しつつありますが、
あっさりと片が付くとはとうてい思えないわけです……。
刊行スピードが速いのですが、やっぱり次が待ち遠しいですね。