シナリオ名 :魔神王の娘 (17話)
製作者   :philoさん
HP    :伯陽堂 http://homepage2.nifty.com/zhuang-zhou/



冒頭で3ー2の仲間が楽しそうにやっているのですが、今回のお話は表面上はともかく、
裏側はそういう雰囲気ではありませんでした。


前回のラストに登場し、占い師と会話をしていた、「アンダーカヴァーズ」が登場します。
今回は、彼を中心にというか、発端は彼ですが、舞台袖で眺めている彼によって、
役者が集められて、小芝居をさせられた感じになってしまいました。


まず、広耳堂の日向を介し、宗太郎をわざわざ指名して、「スーツケース」を探す仕事を依頼しました。
この後、宗太郎が、イリーレスト、Rーモードや、姫士組へ立ち寄って、
大勢の仲間を集めて、スーツケース探しを手伝うわけなのですが、
その中で宗太郎は小さな違和感を少しずつ積み重ねていきます。
もちろん、アンダーカヴァーズに対して、ですが。
それに、方々回る中、最初は広耳堂の日向、Rモだと朱峰や、姫士組だとシンさんや鈴音、
トラさん辺りが、彼に対して不審を抱いていました。
ただ、それすらも想定の内だったという事が、後々になって分かってきますが。


戦闘は、スーツケースを拾ったモヒカン達が(笑)、
中を開けようとはしゃいでいる所に一行がやってくるわけですが、
モヒカンのありさまが妙に和みます。悪い連中なんですが、妙に可愛いというか。
こちらのメンバーも多く、大概が一対一でモヒカンのスペックを上回っているので、
よほど突出させない限り負けることはないと思います。


ヒントでも言っていますが、能力持ちのモヒカンが多数おり、中には当て身技を使ってくる危険なモ ヒカンもいるので、戦闘力が低い仲間は、それだけ注意すればいいでしょう。



エピローグで判明しますが、アンダーカヴァーズが宗太郎達に探させたスーツケースは、
猟惨泊への活動資金でした。城島派からの実入りが少ない彼らが、
アンダーカヴァーズなにものか分からずとも、
その事に眼をつぶってでも手に入れたいだけの資金が、
あのスーツケースの中には入っていました。
ここまで来ると分かると思いますが、つまり、宗太郎達もモヒカン達も、
アンダーカヴァーズの手の平で踊らされたわけで、モヒカン達はともかくとして(笑)、
親切に探してあげた、宗太郎達はいい面の皮です。
しかも、それを楽しんでいるようなので、
この辺りからアンダーカヴァーズを動かしている存在への、
足がかりが掴めるかも知れません。


場面は切り替わって、三校の生徒会長が集まって、
現在の状況について話し合っています。
率先して対策を講じているのは、霧だけで、
飛鳥はやる気がなく適当な感じで、京夜は危機感が不足している面持ちです。
どの時点で、霧の顔が夜神月のようになって、「駄目だこいつら……早くなんとかしないと」喋るんじゃないかと、ドキドキしてみていました。
いろいろと綻びというか、危うい面が露呈した会談になってしまったように思えます。


最後、今回イリーレストからついてきた、
星野さんが謎の機関の人と話しています。
クレーメとアンダーカヴァーズについての話ですが、相手が豊田順子でした(笑)。
なんとも、懐かしい人が出てくるというか。


表向きは静かな何気ない日常の風景的な感じに見えた今回の話ですが、
アンダーカヴァーズが、敢え て猟惨泊に資金を与える辺りや、
三校首脳の会談など、様々な思惑や駆け引きが裏面で動いているギャップが、
非常に楽しめました。


嫌な暑さになってきましたが、次回更新も楽しみにしております。