鋼の錬金術師 26 (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 26 (ガンガンコミックス)


評価 9/10




長い間連載されてきた、鋼の錬金術師もこの巻と、
次の巻で終わりです。実に感慨深いですね。


最初、普通のガンガンの漫画だなぁと思いながら読んでたんですが、
2巻・3巻と巻数を重ねるにつれて、これは……すごいと思い、
どんどんのめりこんでいったことを、思い出します。


今回は、お話の上でのラスボスはお父様なんでしょうが、
バトル面では明らかに、キング・ブラッドレィでしたね。
彼は結局、最後までホムンクルスの矜持を貫き通しました。
だからこそ、その後のプライドの姿が、
キンブリーが思わず出てきてしまうほどの、醜態でしたね(笑)。
お父様にしても、プライドにしても、あり得ない力を持っているわけで、
特にプライドは弱点をついても倒しきれず、弱体化した状態で、
ようやくというところでした。
でも、そんな彼らも、追い詰められた所でその弱さが出てしまうと言うか。
多分、追い詰められたことがなかったんじゃないでしょうか。
つまり、初めての逆境で逆転の仕方を知らなかった。
対して、エド達は多くの経験と逆境を潜り抜けた、
歴戦の猛者達なわけで……強力な力を失ったプライドが、
人間力で戦った場合、勝敗は明らかだったと言わざるを得ません。


エドに殺されると勘違いした、プライドに対して、
キンブリーが「貴方、エドワード・エルリックをなにもわかっていない」
と言い放ったシーンは、素晴らしかったですね。
キンブリーらしいというか、ニヤニヤしながら読んでました(笑)。


しかしまあ……。
最初のグリードしかり、ラストしかり、キング・ブラッドレィしかり、
最期が潔かった人達と比べると、大分落ちますね、プライド(笑)。


あの胎児がどうなるのか、最終回を見ている私には分かっているのですが、
このわくわくをそのままに、27巻を待ちたいと思います。