山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス ヤングマガジン)

山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス ヤングマガジン)


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くの一紅騎兵が、その凄絶なまでの美しさを残した恋物語だったとしたら、
こちらはもう、読んでる最中ニヤニヤが止まらなくて、もう、
アーッ、クソッ、こんちくしょう!
どっか行って、二人で末永く幸せに暮らしちまいな、べぇけやろうが!!
とエセ江戸っ子になってしまうくらい、もう、ニヤニヤ止まらなかったです。


細川忠興の子息でありながら、剣術に熱を上げすぎて宮本武蔵に挑むほどとなった、
細川与五郎を中心に話を展開していきます。
人質として送られる最中、剣術の修行したいんで蓄電しますと書き置いて、
去ってしまって、またまたふらりと戻る与五郎。
なんて迷惑な男なんだ(笑)。
それはともかく、あまりにも落ち着きのない三一歳(童貞)なので、
奥さんをつければいけるだろうと、細川家の忍である青龍寺組頭領の孫娘、
登世があてがわれることに。
前後しますが、実は荒ぶる与五郎をいさめるために、青龍寺組と勝負させた際、
他の忍び達を越える腕前を見せ、与五郎に認められたのが登世でした。


で、まあ、父の忠興に子供だけでも残せと言われ、
しかたなく子作りタイムに。ただ、そこに秘策があり……忍術で交合が解けなくなった二人。



ちょ(笑)!?

      !!                   _>-t‐...、 
ヾ、        〃        _. -ァく:::::〃ヘ::::::\ 
                  _ ‐-′, 二ヽ::!!::::::ゝ、:__} 
    し 頭        /  /  丶ヽ:ゞ;、_:-く 
    そ が        j  // | |リノハヽ}丶::二::::イ_ 
    う フ        /   { ノノ_  ,r !/― リ从ヾ` 
=  だ  ッ  =    {  ノノヘ'´:::/´_..、--―┴ヘ        !! 
    よ ト          ) r'〃 ̄ ̄ ̄    __.-<\} ヾ、          〃 
    お │        / j/{:.|l  _....--―T ̄ .._   | 
     っ       (( r' ハ:.ゞ_、´ソ:!   |     `T "j    参 大 繋 Y 
     っ          ))  r、:.:.:.:.:.:.:.:j   |/   ノ !  /   戦 坂 が O 
〃        ヾ、   ((  {三:::::.:.:.:.イ    j     ! /=  な の  っ  G   = 
     !!       ヾ、_.ノ´:.:.:::::::/    /     ! /      ん 陣 た O 
              r':.:..:.:.:.:.:.;r' `ニ´ /     '/_    て に ま R 
            /ゝ、_/!{   ∠     { \ `ヽ       ま O 
             ! : : : /  ヾ /  \ヽ二二ン ト、 / 〃       と ヾ、 
             ! : r'´   /      ヾ\  \ \      !! 
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                   l::::::::::{´  ソ::::::::|  {   l ! / 



こ、この状態じゃないですか!!
すげぇ、なんだこの発想(笑)。挿入したまま、繋がったまま離れないとか……。
や、山風先生、天才すぎる……ッ!!!!



この状態で、刺客と戦ったりまあ、色々あり得ないことが起こる訳で。
ただ、このだっこちゃん状態は、永遠のモノではなくて、
妊娠して出産すると自然に離れることが出来る術で……。
出産した登世を残して、武蔵を追う与五郎。
残された登世は、赤子と……。


こっから先は、是非読んで頂きたい。
なんていうか、途中から気づいたけど、これ、すごいラブストーリーなんです。
純愛的な(笑)。
ラストシーンの与五郎の変貌と、戻って来た登世に会ったときのあの顔と来たらもう……!!


たまらんですね(笑)。


私の気持ち的には、眼帯をした忍者さんとシンクロしました。
まあ、つまり。
「幸せになっちゃいなよ、YOU達!」というか。
あの、クナイをそっけなく投げる辺りに、すごい感情にじみ出ています。
いや、面白かった(笑)。


余談ですが、山風先生の原作ではあのラストシーンはないそうです。
普通、小説に付け足しをすると、蛇足になってしまいがちでしたが、
この場合、せがわ先生の卓越した手腕を見せつけられたなぁと、感服しました。
なんていうか、読者の「もう、二人は幸せになってくれ!」という気持ちと、
先生のあのラストシーンの感情が見事にシンクロしたというか。