- 作者: ブライアン・マイケル・ベンディス,スティーブ・マクニーブン,デビッド・フィンチ,ャスダ・シゲル,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/07/30
- メディア: 単行本
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7/10
誰も素性を知るものがいない、謎のヒーローセントリー。
超パワーを誇る彼には、危険な秘密が隠されていた……。
というような感じで始まる今回のアベンジャーズですが、
イルミナティ(ヒーローの有識者会議)が出てきたり、
世界の謎が明らかになる下りがあって、わくわくしながら読んでいました。
セントリーの境遇には同情するんですが、
ヒーローだったら誰でもあんなエピソードはあるわけです。
なのに、自分のパワーを制御できずああなったり、
後のエピソードであるダークアベンジャーズでは、
アレスを真っ二つにしたり、その精神の弱さに反比例する異常な力によって、
場を凍らせることばかりしてます。
彼を見ていると、キャプテン・アメリカがいかに奇跡的な存在か理解できます。
本編でも語っていましたが、一時、合衆国と袂を分かち、
別のヒーローとして活動していた時期があることを告白していました。
彼は超人血清で強靱な肉体を誇り、身体的には人類のTOPクラスではありますが、
あくまで人類の範疇だったりします。
彼をヒーローの中のヒーローたらしめているのは、
逆境の最中にあったとしても、チームに勇気を与え、前に向かって進んでいく、
希望を与えることができるヒーローとしての矜持、
そしてリーダーとしての揺るがぬ精神であると言ってもいいでしょう。
……いや、彼も悩みますし、揺らぐこともあります。
でも、そこで柳のような柔軟さで精神の葛藤という風雨を耐え抜き、
チームの精神的な支柱として在り続けるのは、
見ているだけで涙が出てきてしまいます。
そんな彼を見ると、力があるのにそれに圧倒されるセントリーは、
お前ヴィランだろうとしか言い様がないというか。
今の所、好きになれる要素がありません。
今回の邦訳は、待ちに待った話ではありますし、楽しかったんですが、
セントリーメインだったんで……後々の彼の行状を考えると、
素直に彼のそれに感動できませんでした。
続刊が今月末、そしてシヴィルウォー邦訳と非常に嬉しいのですが、
シヴィルウォーは、メインストーリーだけで、ダメージコントロール社の話とか、
裏面で動いていた人達はやらないんですかね。
真相の真相が明らかになったりするんですが。