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シビル・ウォー (MARVEL)

５／１０

一応、事前に情報は集めていましたし、
米国に赴任している友人から、事の顛末、
そして結果どういう事になるのか、
大雑把ではありますが、聞いていました。
そして、ウルヴァリンパーフェクトガイドに、裏面の事情が書かれており、
それを読んで驚愕しまして、是非とも邦訳を読みたいと願っていました。

楽しみに読みましたが……。
なんとも、どうにも釈然としないといいますか。
キャップの主張にも、社長の主張にも一理あるのですが、
社長が色々と手を回したり、パフォーマンスしすぎるせいで、
酷く悪役っぽく見えてしまっています。
さらに、キャップは主張はよいのですが、フューリーが作った機械を握手に忍ばせ、
社長のアーマーを不意打ちで停止させたりなにやら手段を選ばなすぎませんか？
両方の主張に一理があったとしても、
昨日までの友人相手に、ここまで裏をかくようなことをしては、
ヒーローの名が泣きます。
この後、キャプテン・アメリカが命を落とすのですが、
その辺りも邦訳化予定のようなので、楽しみにしたいのですが、
キャプテン・アメリカ：ニューディールを読んだ後だと、
あの賢明なキャップがなんでこんなという感想しか出て来ません。

アメコミは、多くの人が作っています。
シナリオライターも違いますし、絵を描く人や、色をつける人も。
だから、自分が好きな話を書くライターのストーリー、
自分の好きな絵柄のお話を好きになるのが、精神的に助かるかもしれません。

あと、リード・リチャーズが明らかに邪悪でした。
友人であるソーのクローンなど、オンスロートでフランクリンを守る為に、
身体を膨らませて戦った、よき父親の面影もありませんでした。
まあ、妻のスーザンと仲違いをして、それがある程度修復したりしたのが、
救いではありますが。

キック・アスのライターで名を馳せた、
マーク・ミラーがシナリオ作っているのですが、悪い印象しか残ってません。
彼の言葉が、冊子に載っていますが、
これは明らかに政治風刺の意図があるんじゃないでしょうか。
ヒーロー達のスタンスって、
ニューアベンジャーズで、キャップが言っていたように、
「今回は政治は抜きだ」という、そんな精神でいいと思います。
元来、弱い人達を守る為戦うのがヒーローであって、
その彼らが市民を巻き込んで戦う事、それ事態がおかしい話だと思います。
９．１１で価値観が逆転、あるいは多いに狂ったとしても、
それだからこそ純粋に人を助ける、ささやかな正義の為に命をかける、
そういった古くさいと言われるようなヒーローが必要なのだと思います。
なぜなら、物語は人々に勇気と希望を与えなければならないと、
特にヒーローが出てくるようなものは、そうでないと意味が無いと、
私は思っているからです。勝手に、個人的にですが。

シビル・ウォー関連作品の邦訳が予定されているようですが、
是非ともやっていただきたいです。
すっきりしないにも、ほどがあるでしょう。
必ず買いますから、是非とも、ナイトロを追ったウルヴァリンの辺りも、
邦訳していただけると助かります。