デス・オブ・キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリーム (MARVEL)

デス・オブ・キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリーム (MARVEL)


8/10




キャプテン・アメリカの重責に苦悩するバッキー。
裏面で暗躍するレッド・スカル達。
人の心を弄んだファウスタスの心変わりも、
最後まで身勝手な男だという印象が非常に強く、
ありはしましたが、彼もまた自身の歪んではいるものの、
プライドに殉じた部分があったんだと思え、
なかなか興味深かったです。
ラストのレッドスカルが、ゾーラのボディに入れられた事は、
なんというか、一言で表すのなら、ざまぁとしか言い様がなかったですね(笑)。
辛辣な記者の質問に答えるバッキー。
最後の台詞は、希望と決意に溢れていて、
デス・オブ・ドリームを読んだ時よりは、
非常に好感が持てる終わり方で、安心しました



でも、この後……キャップが復活してバッキーがその座から降りるんですよね。
うーん、いいヒーロー交代劇だったのに勿体ないです。
しかし、キャップの死が、ちょっと微妙だったので、
戻るのはいいんですが、バッキーがキャップになっていく過程が、
なかなか良い筆致で描かれていただけでに、残念です。
キャップが復活することは嬉しいのですが。

「サムの口調や態度は彼自身の物であって……
スティーブとはまるで違う。どう見ても二人は別の種類の人間だ。
しかし……はっきりとは言えないが、サムには何かがある。
スティーブの面影なのかも。彼といると頬が緩むのはそのせいか」


この文面は、ファルコンと一緒に戦った際の、
バッキーの内面の描写です。
ファルコンも、バッキーもキャプテン・アメリカの友人です。
ただ、表現が難しいのですが、
ファルコンがチームメイトとしてキャプテン・アメリカと、
同等に方を並べる存在であるとしたのなら、
バッキーはサイドキック(ヒーローの年少・後輩の相棒)である事が、
色濃く彼の考え方や生き方に対して、影響を与えている事が分かります。
ファルコンは、キャップに友情を持っているのに対して、
バッキーのそれは、明らかに尊敬であるように見受けられますし。


何が言いたいのかというと、バッキー自身が他の誰かに対して、
自分がファルコンに抱いた感情というか感想を、
抱かせることが出来た時、バッキーは真の意味で、
サクセサー・オブ・キャプテン・アメリカになることができるのではないでしょうか。