9/10




いやぁ……この外伝は、まさしく冥王神話読者が待ち望んでいた外伝でした。
アルバフィカ外伝も面白かったのですが、
やっぱりドラマCD化したお話だったので、知ってる話をなぞるような感じでしたが、
カルディア主役の未出のストーリーだったので、
楽しく読ませて貰いました。


その身体に宿した熱のように、激しく燃えさかって命を尽くしたカルディアでしたが、
本編とは違った、すごい少年漫画のヒーローっぽい側面を、
余すところ無く表現してくれていて、なんという主人公属性と唸ってしまいました(笑)。
デジェルとは親友として仲良くやれそうですが、
マニゴルド兄貴辺りとは悪友として、下町辺りで色々と悪さしてそうです。


しかし、巻末の豪華書き下ろしおまけマンガで語られましたけど、
デジェルはアテナの血を宿していたんですね。
だからこそ、スカーレットニードルカタケオは、ラダマンティスにも勝利し、
今回の敵である破壊神と貸したウェスダすら倒す力を引き出せたんでしょう。
カルディアとサーシャが仲がいいので、こうなると、
「デジェルとカルディアは、最期まで全力でありましたか」
というサーシャの言葉が、凄い重みをもってきて、
あの辺りを読み直すと、目頭が熱くなってきます。


あと、カルディアとデジェルを迎えるシジフォスの表情が最高でした。
連載読んでるときは、シジフォスがすっ飛んでくるんじゃないかと、
冷や冷やしていましたよ(笑)。


それはともかく、酒場でのカルデラのモノローグが寂しいですね。
いつまでも待っていてくれる彼女の元に、
カルディアもサーシャも行くことができないわけですから……。
新しい出会いがあると、黄金聖闘士達が命を落とす展開が待っている以上、
そこに寂しさがつきまとうのは仕方ないんでしょうけど、
その切なさも楽しませて貰ったというか。


本当は10点差し上げたい所なんですが、
以後にさらに面白い展開があると期待して、9点にしておきます。
10点はそちらへ(笑)。