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黄金聖闘士外伝、第三弾。水瓶座のデジェルの登場です。
飛び飛びで読んでいたせいか、敵で出てくる宝石児がなんか弱くて、
カルディアの話よりちょっと落ちるなと思っていましたが、
ラストまで読んでこれは、まぎれもなくデジェルの話であり、
実に染みいる話だなーと思い直しました。


原作でも氷河は師匠であるカミュとの絆が強く、
氷の闘技を使う聖闘士は、そういう傾向があるのですが、
師匠クレストとの絆と、彼の500年に渡る生。
その中で神々に翻弄される命を見続けてきた、
クレストの疑問というか心の描写が丁寧で、
じわりじわりと来るものがありました。
最初、クレストが裏切ったと思えた時、
私には原作でシオンが語ったこの言葉が蘇りました。



「たとえ死してもアテナの聖闘士!!
ハーデスなどに寝返る者が、一人でもいると思うのか!?」


これをずっと念頭に置いていたため、
クレスト先生の行動には、何か理由があるはずと、
思っていましたが、この予想は当たってよかったです。
手代木先生がその言葉を知らないはずはないので、
先生がアテナを裏切る聖闘士を出すとは思ってませんでしたが。
クレスト先生は最後まで聖闘士であったし、
デジェルの師であったし、ガーネットの理解者であったんでしょう。
永劫の時を生きる疲れ果てた魂は、
新進の情熱に癒されるという結末も、
こうなるかなーと思ってましたが、実に美しかったです。
デジェルの話ではありましたが、
主軸に置かれたのはクレスト先生だったかな、と感じました。


この次に、現在連載されているマニゴルド編ですが、
マニゴルド兄貴と、アルバフィカが組んで戦っています(笑)。
一シリーズに黄金聖闘士一人という縛りが崩れつつあるので、
派手な共闘がみたいものですね。
というか、二人組んで戦うなら、一巻の縛り無くしてもいい気がします。
二冊とか(笑)。