:「白薔薇の誓い」(五話)

製作者   :philoさん
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前回のフィガロの話が非常にスリリングで動的であったのに対して、
今回は静かに進行しつつ、熱く燃え上がる話で曼珠沙華と鉄の拳の同盟、
曼珠沙華祇園会の結託と事態が動きつつも楽しませて貰いました。


曼珠沙華で不動の地位を気づいているのかと思っていた西宮路顕子も、
なんらかのミスを犯せば、足元の床が開いて地獄に落ちる存在であることが分かりましたし。
顕子の凪に対する態度も、その辺りの余裕のなさがにじみ出ている側面があるのかな、
と思いながら見ていました。
まぁ、単純に逆らえない立場の人間を、虐めてるだけでもあるでしょうが。


しかし、警備隊にスパイを送り込むというのは、
曼珠沙華の手も長く、厄介という他ありません。
さらに、祇園会の一部とパイプを繋いでいるようで、
曼珠沙華が彼らに何をさせようとしているのか、
祇園会の一部、瀬名派が曼珠沙華の力を借りてなにをしようとしているのか?
祇園会は成り立ちよりも、シナリオでの扱いはけっこういいと思っています。
どちらかというと、単純に悪い人より、
信念を違えた人や、志が違ってしまった人など、好漢も多くいますし。
翻って今回出てきた祇園会の人達は一部例外を除けば、
単純に悪い人達なわけで、彼らがボランティアに精を出すとは考えづらく、
どのような計画を用意しているか、曼珠沙華はそれでなんの利益を得るのか?
この辺りを見ていきたいと思います。


今回、西宮路凪は、ようやくスタートラインに立ったと言えます。
彼女は助けて貰っただけです。自分で、何かを勝ち取った訳ではありません。
尾崎豊の歌ではありませんが、顕子の支配からの卒業を、
自分の手で成し遂げる必要があると思います。
お膳立てはみんながしてくれるでしょう。フォローも。
だからこそ、自分で自由を勝ち取る、支配を断ち切る必要があるわけです。
その時こそ、それを成し遂げた時こそ、凪が警備隊の一員として、
本当にみんなの仲間になることができるわけですから。