:「ゲシュプロテア戦記」(8話)

製作者   :philoさん
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ディステオ教が圧倒的不利な状況で襲撃をされそうな雰囲気から始まったので、
バルマムッサの虐殺のような事が起こるんじゃないかと、
冷や冷やしながらプレイしていましたが、そんなことはなくて安心しました。
それにしても、死亡フラグを口にする人がいたり、
イングリッドが思い出を語り怒りを募らせていくので、
この積み重ねられたフラグの山は虐殺エンドか!?と思ってたので、ほっとしました(笑)。


今回、帝国の襲撃があった後は、ディステオ教も奮戦していたわけですが、
それ以前から手を尽くし、戦場以上に戦火を交えていたのは帝国軍内部でした。
派閥同士が権勢しあい、イニシアティブを取るために譲らずに争っていました。
ただ、彼らの目的がディステオ教の殲滅である事に対して、ナヴィーユ達の目的が別のものであり、
ほとんどの敵派閥はそれに気づいていなかった。
そこで、上手く立ち回れますが、今回のディステオ教殲滅にもう一つの意味を持たせていた連中が、
やや上回って去っていきました。
ナヴィーユ達は目標を達したけれど、タバード達も目的を達してしまった。
ただ、タバード達の目的は、目標の最大値にはならなかった。
幾つもの組み合わされた天秤が、傾きすぎないよう、バランスを崩さぬよう、
勝ちすぎぬように、負けすぎぬようにと、配慮された結果のような感じがします。
ただ、これは無意味ではありません。
実際に、多くの市民が命を拾い、ディステオ教の多くの者達が無事に逃げられたわけですから。


一見、宗教弾圧に見えますが、その裏に様々な思惑や権力闘争すらある。
ただ、今回派閥争いをした軍部内よりも、
己の保身をだけ考える御三家の方が、非常に醜い印象を受けました。
この辺りの貴族的な思考が、非常に上手いなと。


今回、事前工作で渡した賄賂を、自分がまったく動かずうまい所に落ち着いたので、
借りを作らない為に金銭を返却するシルベリウスの立ち回りが面白かったです。
積極的な敵ではなく、排除もままならないけれど、上手く交渉すれば、代償次第で動いてくれる。
決して味方には数えられませんが、こういう立ち位置の人は興味深いです。
複雑に思惑が絡み合った話でしたが、虐殺的な事にならず、安心しました。
ただ、そうはならないという信頼はありましたが(笑)。