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双子座の黄金聖闘士というのは、12人の最強の男達の中でも、
特別な聖闘士であるといえます。
双子座のサガ、カノン供に超絶の力と存在感を誇りましたし、
劇場版の真紅の少年伝説ではアベルの軍門に下ったフリをして、星矢を導いたサガ。
ハーデス編でまさしく汚名を被りながらも、
ただひたすらアテナの為、聖域の為に戦ったサガ。


冥王神話のアスプロスは、本編では既に命を落としており、
冥闘士として立ちはだかってきます。
弟、デフテロスとの戦いの後、魂の融合によって真の敵を倒すべく、
元凶の一人である神と戦い、勝利しました。
好漢・好人物が多い黄金聖闘士の中、己が欲の為、自分の為といいつつ、
弟の気持ちを汲んだアスプロスは、地上の正義と平和の為に戦った、
黄金聖闘士の一人として恥じない人物であったといえます。


そんな彼、双子座のアスプロスの聖戦前夜を綴る外伝。
依頼者に対して節度は護りつつも、厳しく対するアスプロス。
引っ込み思案な依頼者クリスに対しても、厳しい言葉を投げつけるわけです。
そして、クリスが魔星に魅入られ、冥闘士として戦いを挑んだ最中も、
自分の意志で助けを請えと、訴えかけ続けるアスプロス。
ああ……この人が死んで冥闘士になってっていう流れがないと、
聖戦は敗北していたかもしれないけども、彼がそのわだかまりを捨て、
一個の聖闘士として聖戦に参加してくれていれば……と悔やまれてなりません。


クリスの今後も、ハッピーエンドには終わらないだろうなとは思うのですが、
恐らくは悔いなき最後を遂げるのではないかと。
しかし、これで聖域に戻った直後にアスプロスは……。
前回のデフテロス外伝と会わせて読むと、双子座の運命の苛烈さに心が痛みます。


そして、次のシオンで冥王神話外伝も終わろうかということになりますが……。
よければ別の聖戦や、狂戦士たちとの戦いやら、
そういうのを描いて頂けると、一ファンとして非常に嬉しいです(笑)。