:「ストレンジャー 藤堂家の人々 (4話まで)」

製作者   :philoさん
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四人の兄たちを犠牲にし、妹を護りながら、父親の後継者として、
覇道を歩み続ける藤堂豪毅の物語も、一旦ここでくぎりが着くようです。
彼は未熟なのではなく、自分自身のやるべきことを知っており、
その為の手段も心得ていて、そして覚悟も持っているわけです。
そんな彼をなんと呼ぶべきか?
私は未完成であると答えます。


恐らくは違う道を辿るであろう剣桃太郎、鬼龍院皐月も、
彼ら彼女らですら未完成であると言えます。
未完成であることはダメなのか?
私はそれは否であると答えます。
一番余裕があった桃ですら、己の決断に揺るぎない自信はなく、
不確定ではあるが、彼が信じる友情に賭けたわけです。
皐月様は今回敵の立場で、策を巡らせて己の政敵を討つべく、
万全の体制で臨んだけれども、彼女が切り捨てた情が、
藤堂親子を救う縁となった。
この点は豪毅も同様で、家族の為に命を張る覚悟を持った彼に、
彼や彼を取り巻く周囲の縁の為、多くの友人・仲間が集まった。
この結果は彼の生きてきた人生哲学に反するものであるわけです。
だからこそ、三者三様に完成へ歩き続けていく。


なんでもかんでも全てを受け入れ、許容する必要はないのです。
ただ、最初から否定して捨ててしまわず、
つまみ食いして気に入らなければ、捨ててしまえばいい。
未完成にはそういう成長という要素があるわけです。
エピローグでは皐月様は今回の敗北に対して、
反省し、分析して次へ繋げていく成長を遂げました。
豪毅も、墓参りで亡き兄たちへの誓いを新たに、
そして彼が覇道を歩むとしても、捨てられないモノがあると、
それを心に刻みつけることができた事が、大きな収穫であったのではないでしょうか。


なにやら、首相以下の高官が見た事がある人達で吹きました(笑)。
しかし、藤堂兵衛がカワイイ人になってしまって、
もう、私の中ではヴィランやらせられなくなってきました。
今回も楽しませて頂きました。シナリオ作成、お疲れ様です。