二人はプリキュア Max Heart 15話

ひかりを主においた話なので、なぎさやほのかが先輩として扱われるのが非常に新鮮な話でした。バスケの試合も、「各々が自分の特性で頑張って、不得手は補いあって、ハーモニーを作り上げて困難を克服する」という、チーム物の鉄則を分かり易く説明しており、その後のサーキュラス様との戦闘でも、ひかりがなぎさやほのかのように戦えなくても、自己の役割を理解し、それをきちんと果たすことで二人を助けられればそれでいい…ということをバスケの試合を踏まえて綺麗に表現しています。酉ザケンナーの話の時に、初めて戦いに赴く意志を示したひかりですが、今回、さらに一歩踏み込んだ感情を示します。ドツクゾーンの住人が挨拶のように言っている、「いずれ、すべての世界は闇に飲み込まれるのだ!」という言葉に、ひかりが激しく反発します。

「私はいやです!私はこの虹の園が無くなってしまうなんていやです!
この人たちと会えなくなってしまうなんて…そんなのいやです!!!」

基本的におとなしい彼女にとっては、奈緒や美羽と…そしてなぎさやほのかと交遊を深めていく中で、人として生きていく喜びに触れ、それやそれに関わる人々を失う事への恐怖、そして憤りが強くでて…今回のこの言葉になったのでしょう。光の女王はかつてこういった交流を経ている…と思うので、いまその命であるひかりが人として経験を積むというのは、なんらかの意味があるのではないかと思っています。結局、「すべてを食い尽くす闇の力」と「すべてを生み出す光の力」は相反するものである限り、究極的な対決は避けられません。しかし、ジャアクキング様の言葉によると彼と、光の女王は互いが互いを滅する事ができない─相手の死が地震の破滅を意味する─ならば、何かの妥協点が見つかる可能性もあるわけで…。プリキュアでは

ところで、ひかりの友達の奈緒(ショートの元気な子)と美羽(ツインテールのおしゃまな子)が出てきましたけど、奈緒の声の方がてっきり渡辺久美子さんかと思ってしまったのですが、別の方でびっくりしました。声優さんは声が財産ですからその特徴のある声を大事にして頑張って欲しいと思いましたね(笑)。まあ、それは置いておいて…、お話のラストでひかりが奈緒と美羽を呼び捨てにして…それを見ていたなぎさとほのかが─まるでかつての自分たちを思い出すかのように…─顔を見合わせて微笑みあう、という演出が綺麗に決まって、非常に実りの多い回でした(笑)。

今回ちょっと不満だったのは、OPアバンの所でいいので館での闇の騎士同士の会話をいれて欲しかったことです。サーキュラス様の登場が、いささか唐突だったということが否めなかったので…。確かに前回ハーティエルたちの存在に気づき、バルデスと密議をかわしているシーンは描かれてはいましたけど、ひかりが決意を固める話でもあったので、もっとドツクゾーン側の描写が欲しかったのですよね。