命令通り…敵を倒したのに… あの…ヒルシャーさん?

ガンスリンガーガール5巻

GUNSLINGER GIRL 5 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 5 (電撃コミックス)

久々のガンスリ、5巻ですが…。うーん。この漫画はどの辺りを落とし所として考えているんだろう。以前、義体寿命が来て、眠るように死ぬヘンリエッタを、ジョゼが見送る…っていうラストが一番ハッピーエンドだろうな、と思っていたのですが、どうもそんな幸せなエンディングは遠い星の話だったようです。
現時点の展開から行くと、五共和国派と政府間で(つまり、社会福祉公社の上を素通りして)クリスティアーノのような犠牲の羊が何人か、生け贄に饗されることによって一時的な休戦状態が築かれれば、今回登場した首相の任期中の面目は保たれるわけですし。でも、そうなると、五共和国派に個人的怨みのあるジョゼ、ジャンの二人は公社に対して、反目して義体達を連れて復讐の旅にでもでるか、五共和国派がボロを出す…いや、彼らを政府がまたとしりまるよう、休戦状態を破棄せざるをえない状況(首相or国家要人の暗殺or暗殺未遂)を意図的に作り出す…とか。
単刀直入に言うと、トリエラが心配なのです(笑)。彼女は面倒見のいい姐御肌なので、そういう人の良いタイプはみんなの士気向上のために、クライマックスで命を落とす可能性が高いので…。あくまで似非現実路線を貫いて、テロや社会情勢を加味した状況で行くのか、担当官と義体少女の心の交流に重きを置くのか…?どちらへ展開していくか、は先生のむね三寸なのですが、基本的に頑張った子供たちですので、せめてやすらかな終わりを与えてやって欲しいものです。

フランカの過去を語る話は面白かったですし、彼女がフリーの爆弾屋になる過程や、フランコとの出会いなど、人物に厚みを付けられるよい描写だったと思います。翻って、ピノッキオがどうも…。最後の最後に、素直になった感はありますが、彼の全編通して纏っている「嫌気さした感じで斜めに構えてる、オレカコイイ」っていう雰囲気が、どうも好きになれませんでしたね。エピソードの挟み方はいいと思うのですが、どうしてこう感じてしまうのでしょうか(笑)。