まいったなぁ…久々の失敗だ…

NANA 1巻

矢沢あい先生は、「天ない(天使なんかじゃない)」や「ご近所物語」あたりから知っております。コミカルなご近所物語も素晴らしい漫画でしたが、特に「天ない」は引き込まれるように読みふけった口です(笑)。私は作者買いする方なので、面白かった先生なら新作もいい、と無条件で信じてしまうのですよね。……あまかった。読む前に気づくべきだったのです。私自身、話題作を後から読んで、面白かった経験がなかった…ということを(笑)。

高校を卒業したばかりの小松奈々と歌手の大崎ナナ…二人のNANAという女の子の話なのですが、貞操観念なさすぎです(笑)。マスコミが作り上げた、「女子高生はみんなウリしてます」っていうような嘘を元に作られているような感じなのです。とりあえず、最初のNANAですが、妻子ある男性と不倫関係(肉体関係アリ)を続け、卒業の日に捨てられます(笑)。で、彼女自身、一目惚れが多く、というか、NANAの親友の女の子が的確な表現を使っています。「アンタ(NANAのこと)男を見たら”雄”としか見てないでしょ?」うーん(笑)。私としてはこの親友の女の子の方が好きなのですが、出番少ないのです。別に貞操観念の欠如はどうでもいいのですが、恋愛をテーマにした少女漫画で、その心の動きが楽しめないっていうのは、仏作って心入れずってかんじなのではないかと。
例えば、小説なのですが、「微熱狼少女」という作品があります。主人公の女の子は、レズだと公言している女性教師にちょっかいかけられますが、父親がホモである彼女にとって、同性愛は汚らわしい・卑怯なものであり、そんな話歯牙にもかけるそぶりすらありませんでした。主人公は恋愛は肉体でするものだと、付き合う男性とは性的関係を結んで=恋愛だと考えていたのですが、レズの女性教師に、ふとしたきっかけから惹かれはじめる…というお話です。正直、かなり性描写がきついので(女性教師に惹かれる自分が許せず、彼氏にねだって3日3晩抱いて貰う)、手放しではお奨めできませんが、主題に欠かせない部分なので、読むことが苦痛ではありません。
翻ってNANAは、主人公の何処にも芯が存在せず、何ら感情の移入ができないので、さてはて、どういった部分をとっかかりにして(ストーリーが面白い、キャラクターが好きetc…が無い。できない。)、続きを読めばいいやら…という感じなのです(笑)。

で、ちょっとNANA世代の子に聞いてみましたけど、別に憧れるとかそういうのではなくて、小物や服装などファッションが可愛いから読んでる…ということらしいですね(笑)。むぅ…そうなのか。…確かに、オサレだ(笑)。ああ、そういうとっかかりをつけて、皆読んでいるんだなぁ…。むしろ、これは女の子の服が可愛くないと言われる、きのこワールドに必要なエッセンスかもしれません。奈須きのこ氏が読んだ方がいいのでしょう(笑)。

というわけで、明日、NANAは古本屋へ行くことになりました(笑)。