訛りが酷くて何を言っておるのかわからぬ。誰か、通訳せよ

ベルウィックサーガ
事前の評判が悪かったのですが、恐らくそれはゴルゴムの仕業に違いないでしょう(笑)。ただ、このゲームはシステムとかやるべきことが多すぎるので、説明書を熟読した後に、一章をやり直す覚悟でシステム把握の為にプレイする必要があったりします。まあ、完璧なプレイを目指す人は…ですけどね。

今回は過去のシリーズと比べても異色な環境で、始まります。なんと、盟主国が滅びていないのです(笑)。大概、王女様なんかが生き残って、その大陸の盟主国が帝国などに滅ぼされているのが通例なのですが、題名にもなっている諸王国をまとめあげるベルウィック同盟と、その盟主が生きているのです。この王子様が嫌な奴で…(笑)。今回の主人公であるシノン公国公子リースを、田舎侍…いやいや田舎騎士と端から馬鹿にしておりまして、もー嫌味の言い放題です。悪知恵の回るというか、極めて官僚的な側近の思うままに動かされているので、最初に殺意を抱くのは、帝国軍ではなくてこの自軍の盟主という面白い状況から始まります(笑)。

そして、ベルウィック同盟軍の本拠地に屋敷を貰って、そこから旗色の悪い各戦線へ時には援護、時には味方の救出、時には殿を引き受けてみたり、とかなり都合のいい便利屋として使われます。その本筋の合間合間に、町の人たちに関わるイベント(戦闘あり。ここで2軍キャラを育てたり、1軍キャラを強化したり…)があり、自軍のキャラクターたちが主人公になる事件や、傭兵たちの過去にまつわる出来事など、キャラクターの掘り下げがなされて、過去の作品と比べてキャラクターの個性がプレイヤーに伝わりやすい構成になっています。難易度も…システムがかなり違って、スキルなどや兵種の運用が違うので、一概には言えませんが…一時期言われていたような、トラキアほどの難易度ではありません。……あー、一部そういうプレイヤーにマゾヒスティックな事を強いる面もありますが、全体の難易度は前作のティアリングサーガをちょっと難しくした程度です。ただ、武器の強度や兵種の相性、スキルの優劣など、事前に知っておくべきことが多く、戦場で確認せねばならないことは結構あるので、それなりにシミュレーションが好きな方でないと、楽しめない(煩雑に思って)可能性があることは記して置かねばなりません。まぁ…このシリーズをシミュレーション嫌いな人が買うとは思えないのですけどね(笑)。

最後に、一つ言っておかないといけないことがあります。このゲームは武装にスキルがあって、それが命中率や、武器を持てるレベルなど(たとえば強い剣を持つには剣のスキルが高くないといけない)に極めて大きな影響を与えます。ここまで言えば解るかとは思いますが、ベルウィックサーガ。序盤のスキル、命中率が低い状態のゲーム展開が、かなーり苦痛です(笑)。味方が当たらず、敵が当ててくる…。そんなゲームはよくあります。でも、敵も味方も外しまくる…。こんなゲームは初めてです(笑)。それでイライラしてしまう人が、脱落していくのだと思いますが、戦記物としてはなかなか丁寧に作られておりますので、シリーズが好きな方は、その序盤の戦闘について心構えをしておくことをお奨めしておきます。